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「立憲主義が権力者を縛るという解釈は古い」と公言する安倍首相を選んだのは、国民である

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 そこで読者諸氏には、自分の選挙区の自民党議員の顔を思い出してみてほしい。思い出せなければインターネットで調べてみてほしい。名前がわかれば、今時の議員でホームページを立ち上げていない議員などいないから、その実績やら思想信条やらをチェックしてみてほしい。そして考えてほしいのだ。彼らは今回強行採決された安保法案をどこまで理解しているのかを。

 自民党が強硬路線をひた走る中、野党各党は安保法制をかなり突っ込んで勉強したという印象を筆者は持っている。これまで国民をうんざりさせてきた「反対のための反対」ではなかった。その分、安倍首相との応酬を報道番組で見て、その議論に追いつくには、見ている国民の側もかなり努力をしなければならなかった。

それでは強行採決に賛同した自民党議員のうち、野党側の追求に対する答えを持っている議員はどのくらいいるのか。彼らは自らの思想信条に従って賛成したのだろうか。保身のために思想信条を曲げていないか。そもそも明確な思想信条を持ち合わせているのだろうか。こういったことを、安倍首相の顔ではなく、地元選出議員の顔とともに想像してみてほしい。

「愚かなる国民」も「敬意を表すべき専門家」も無視

 今回の強行採決の何が一番問題かといえば、それは踏むべき手続を踏まなかったことにほかならない。日本が立憲主義国家であるのならば、たかが一内閣に憲法解釈を変える権限などない。

 集団的自衛権の行使を可能にすることが我が国にとって最善の道だというのなら、徹底した議論をすべきであり、正々堂々と国民に改憲提案をすべきなのだ。それをしないのは、国民が受け入れないことを知っているからだろう。

 安倍首相は常々、尊敬してやまない祖父・岸信介氏の目の前で、当時5歳の自分と7歳の兄寛信氏の2人で、安保に反対するデモ隊をまねて、「アンポハンターイ」と繰り返すのを、岸氏がニコニコしながら見ていた、というエピソードを披露している。

 岸氏は「デモに参加していない、声なき国民の声を汲むのだ」と言って安保法案を可決に導いた。愚かなる国民を正しい道に導くのが政治家の使命だという信念のもと、安倍首相は勝負に出たのだろう。

だが、今回安倍首相は、「愚かなる国民」だけでなく、「敬意を表すべき専門家」の意見をも全面的に無視した。憲法学者230名が反対表明をし、内閣法制局も反旗を翻した事実は重い。

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