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「立憲主義が権力者を縛るという解釈は古い」と公言する安倍首相を選んだのは、国民である

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 さらに、少子化が進行する中、自衛隊員の確保をどうするのかという問題にも頬被りだ。 昨年12月の選挙直前、筆者はこの欄で徴兵制復活の可能性に言及した。「今どき徴兵制なんてあり得ない」「あっても経済的徴兵制だ」「この記者はモノを知らないヤツだ」という書き込みをさんざん目にしたが、建設、運輸、介護などの業界では人手不足が深刻化している。ますます少子化が進み、移民も受け入れていない日本で経済的徴兵制など成立し得るのだろうか。

 国を守る意識を高めるにはまず教育からということなのか、フジサンケイグループの育鵬社の教科書を採用する自治体が増加傾向にある。中でも4年前の改訂時に全国に先駆けて導入を決め、今回も採択した横浜市では、その選定プロセスの不透明さゆえに、市民団体が教育委員会に採択のやり直しを求める騒動になっている。

 ただ、この教科書で教育したから自衛隊への志願者が増えるのかというと、それはそれでそう簡単ではないだろう。誰にでもその人を産んだ母親がいるからだ。

 筆者の知人の、そのまた知人に某有名私大で准教授を務める37歳の男性がいる。知人によればこの男性、例の武藤議員の発言に諸手を挙げて賛同、会う人ごとに同意を求めるので周囲は閉口していた。この准教授には小学生の息子がいる。そこで、「息子を自衛隊に入れるのか」という質問をしてみたところ、たちまちぐっと詰まり、「うーん、どうかな」と悩んだ。てっきり「本人が希望すれば入れる」くらいのことは言うだろうと思い、次に「奥さんも同じ意見なのか」と聞こうと構えていたが、結局この准教授は、最初の質問にも答えないまま、「じゃあボク時間がないんで」と、足早に立ち去ってしまったという。

 SEALDsには是非、自民党の議員一人ひとり、そして民主党内にもいる、同じ主義主張の議員一人ひとりに、「230人の憲法学者が違憲だと言った手続をどう考えるのか」、そして「自分の子供を自衛隊に入れるか」、このふたつの質問に答えさせる運動を展開してほしいと思う。

筆者も地元選挙区選出の自民党議員に、このふたつの質問をしてみようと思っている。ちなみに、今回の安保法制可決が自衛隊の応募者数に影響を与えたかどうかがわかるのは、来年8月半ばに防衛白書が出る時である。参議院選挙はその1カ月前に終わっている。
(文=伊藤歩/金融ジャーナリスト)

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