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小黒一正教授の「半歩先を読む経済教室」

国の借金、戦前と同水準に 財務省が密かに恐れる「事態」

文=小黒一正/法政大学経済学部教授
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 終戦直前の44年度(昭和19年度)、204%にも達した政府債務(対GDP)は、終戦直後の48年度(昭和23年度)には20%にまで縮小した。また、終戦直後の46年度、47年度、48年度の卸売物価は、432.9%、195.9%、165.6%という高インフレとなった。このような状況の中で、政府債務縮減の要因は、「財産税」「戦時補償特別税」よりも、高インフレに伴う債務縮減のほうが大きかったというものである。

 これはよく知られた事実だが、戦後直前と同様、拡張的な財政・金融政策の下で政府債務が急増する今、戦前・戦後の財政運営からの教訓を持ち出すことで、高インフレによる債務縮減を警戒し始めている証しということはできないだろうか。
(文=小黒一正/法政大学経済学部教授)

国の借金、戦前と同水準に 財務省が密かに恐れる「事態」の画像2財務省 HP」より

小黒一正/法政大学教授

小黒一正/法政大学教授

法政大学経済学部教授。1974年生まれ。


京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。


1997年 大蔵省(現財務省)入省後、大臣官房文書課法令審査官補、関税局監視課総括補佐、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。財務省財務総合政策研究所上席客員研究員、経済産業研究所コンサルティングフェロー。会計検査院特別調査職。日本財政学会理事、鹿島平和研究所理事、新時代戦略研究所理事、キャノングローバル戦略研究所主任研究員。専門は公共経済学。


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Twitter:@DeficitGamble

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