10月に入ってソウル西部地検は、加害者であるA氏を強制わいせつ致傷容疑で不拘束ながら起訴。雇用労働庁もA氏がセクハラを働いた事実を立証し、該当内容を支店側に通達したことを発表した。これを受けて、韓国メディアでは今回のセクハラ騒動が大きく報道され、民放テレビ局MBCの人気時事番組『時事マガジン2580』では「韓国にある日本系銀行で“セクハラ”」という特集も組まれたほどである。同番組では次のように指摘している。

「日本系銀行の韓国支店でセクハラが日常化している。加害者は主に日本人の男性たち、被害者は現地採用された韓国の女性社員たちだ。その雰囲気に韓国の男性社員が抗議すると、日本人上司らは『韓国ではどこでもあることらしいじゃないか』と、大したことがないように聞き流す」

 もっとも、こうしたトラブルは何も日本系銀行だけで起こっているだけではない。金融投資業界関係者も「韓国人女性に対する処遇問題は、一部の外国系銀行支店では公然と起きていた問題。今回の事件を外国人幹部らの思考方式の転換はもちろん、韓国人女性職員の労働環境が改善されるきっかけにすべき」と話す。

 ただ、そのなかでも特に調査対象となっているのが日本の金融機関だという。雇用労働庁は三井住友銀行ソウル支店の調査に乗り出し、韓国内に支店のあるほかの日本系銀行にも調査を拡大する方針であることを明かしているのだ。韓国の国家人権委員会もセクハラ被害事例の調査に乗り出すとしているだけに、事態は深刻だ。韓国メディアも「一連の事件はセクハラ、パワハラなど日本特有の職場文化が事件の背景になっただけに、ほかの日本系銀行でも類似の被害がある可能性は高い」と報じている。

 突如として、セクハラ疑惑をかぶせられてしまった日本の金融機関。これ以上、日本の“恥さらし”が出ないことを祈るばかりだ。
(文=ピッチコミュニケーションズ)

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