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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

セブンを急成長させたPOSシステム、意外な落とし穴?ここが他店との差別化ポイント!

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 こうした仕組みは、単なる品ぞろえや在庫管理といった領域を超え、ただ本部に従うのではなく、自ら主体的に発注できることにより、スタッフのモチベーションを大きく高めるといわれています。

 さらに、近年、急速に普及してきているnanacoPontaといったカードの情報とPOSを組み合わせれば、いつ、何を、何個に加え、誰がという情報も加味されるため、今後、さらに発展したマーケティング施策が展開されることでしょう。

POSの悪影響

 では、POSによる悪影響というものはないのでしょうか。POSのメリットは、何が何個売れたかが瞬時にわかることです。裏を返せば何が売れていないかも簡単にわかってしまいます。例えば、新製品の場合、昔であれば大きなロットで入荷され、毎日販売状況を確認するような小売店も少なく、売れていなくてもある程度の期間は店頭に並べられていたものの、POSによる厳格な管理では、あっという間に店頭から外されてしまいます。

 大手メーカーであればテレビ広告などのプロモーションにより、新製品に対する需要を喚起することも可能でしょうが、通常、中小のメーカーにそうした力はありません。積極的な広告展開などしなくても、以前なら、例えば商品のおいしさが口コミで広がり大ヒットといったこともあったでしょうが、POSによる管理はそうした状況を許してくれそうにはありません。中小企業にとっては頭の痛い問題でしょう。

ヴィレッジヴァンガードにおけるPOS活用

 書店でありながら、数多くの雑貨を扱い、ショッピングとアミューズメントを融合させた店舗展開を図り、若者を中心に人気の高いヴィレッジヴァンガードの売上高が回復してきたとの記事を先日、新聞で見ました。

 記事では、その要因としてPOSの導入を挙げていました。以前の発注は店舗ごとに個性が出るように店長の勘や経験に100%依存していたものの、店舗増加により経験の浅い店長が増え、うまく機能しなくなり、業績が悪化していたようです。そこでPOSを導入したのですが、100%POSに頼るのではなく、例えば需要予測が立てやすいショッピングセンター内の店舗では積極的に活用するものの、流行感度の高い若者が集まる店ではPOSに依存しすぎない個性的な店づくりを目指すとの社長のコメントがありました。

 POSが当たり前になってしまった今日における他店との差別化においては、このようにどの部分に活用し、またどの部分ではあえて活用しないという見極めが重要になるのかもしれません。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)

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