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日産を悩ます仏政府の「経営介入問題」と「不平等条約」 生産を自国内へ強引に誘導か

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フロランジュ法


 そこに資本関係の見直しが降ってわいたのは、フランスのフロランジュ法が原因だ。同法では、長期保有する株主の議決権を2倍に増やすというもの。この制度導入を見送るためには、株主総会で議決権の3分の2の反対が必要。フランス政府は同法を制定後、ルノーに対する出資比率を15%から19.7%に引き上げた。ルノー経営陣は、導入に反対する姿勢を示し、提携相手である日産も導入に反対する声明を出した。しかし、日産が保有するルノー株式に議決権がなかったこともあって導入に反対するルノー経営陣への賛成票が不足、2016年4月からフランス政府のルノーに対する議決権は28%に上がることになった。

 こうした動きに懸念されるのが、立場上は「子」である日産への影響だ。フランス政府はこれまで、国内の雇用を維持するため、たびたびルノーが実施を計画した人員削減や工場閉鎖などのリストラに介入、これらを撤回させてきた。今後、フランス国内の雇用を確保するため、ルノーへの議決権を増やしたフランス政府が、ルノーの「子会社」である日産の経営に関与してくる可能性がある。

 実際、ルノーの工場稼働率を引き上げるため、16年から日産の欧州市場向け主力車種である「マイクラ」(日本名=マーチ)の次期モデルの生産を、ルノーのフランス・パリ近郊にある工場で生産することが決まっている。フランス政府の意向を受けたものとされている。来春以降、ルノーのフランス国内にある工場の稼働率を引き上げてフランス国内の雇用を創出するため、さらに日産車の生産をフランス国内のルノー工場に移管を要請する可能性がある。

ゴーン氏が迫られる苦渋の選択


 日産とルノーが資本関係の見直しを検討するのは、フランス政府の動きをけん制するためだ。当面はルノーが保有する日産への出資比率を40%未満に引き下げて、日産が保有するルノー株式に議決権を持たせることを検討している。ただ、日産とルノー両社のトップをゴーン氏が担っている現状から、議決権を持たせても、日産はルノーの子会社と見なされる可能性が高い。日産がルノーとは資本提携関係にあっても、あくまで独立した自動車メーカーであることを内外に示すためには、経営体制でもルノーと日産で線を引くことが求められる。

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