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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

特徴なく売り上げ低迷の豆腐店、なぜ高級路線で成功?「常識外れ」の製法を確立、取材殺到

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 消泡剤は、昔は灰や揚げなどを揚げた後の油などが用いられ、その後はシリコンなどからつくられていました。人体への影響に関して問題にはなっていませんでしたが、食品衛生法においてシリコン樹脂の使用量の上限は決められていました。そのような背景を知る消費者に対して、「消泡剤不使用」は人工的な添加物を使っていないというアピールになったわけです。

 こうして原料は北海道産大豆、天然にがり、天然水のみとし、消泡剤不使用による「人工添加物ゼロで体に優しく、最高においしい豆腐」というコンセプトが誕生しました。 

製品開発

 ところが、消泡剤を使わずに豆腐をつくるのは非常に困難でした。そもそも豆腐製造機械は消泡剤を入れることを前提につくられており、完全にセットになっていました。よって消泡剤の使用に誰もなんの疑問も抱いておらず、消泡剤を使わずに豆腐をつくるというのは常識外れの発想でした。社長は当時を振り返り、「まだ素人のような者だったから、素直にやってみようと思えた」と語っています。

 その後、消泡剤を使用せず、豆腐をつくれる釜を扱うメーカーが九州にあるとの情報を得て、中小企業にとっては大きな投資となりますが、購入を決断します。しかしながら、その釜を用いても、なかなか納得のいく製品はできませんでした。一般の凝固剤(硫酸カルシウム化合物)ではなく天然にがりを使用したこともあり、そもそもまったく固まりませんでした。気温に合わせ、大豆を水に浸す時間やにがりの量と入れるタイミングなどを試行錯誤する日々が続きます。

 最初の2~3カ月は36丁に1丁程度の歩留まりで、うまくできた商品があれば1丁でも自然食品の店に持っていくという有様でした。しかしながら、こうした状況にもかかわらず、楽しみにしてくれる顧客が現れ始めます。商品はとにかく柔らかく、「何もしていないのに溶けた」、「容器から出せず、スプーンで食べている」など、顧客から言われる日々が続きました。ただ、そうした声はクレームではなくエールであり、「とにかく味は最高」という評価でした。結局、初年度の販売数は600丁程度にすぎませんでした。それから3年が過ぎ、やっと納得のいく豆腐が製造できるようになり、現在は1日1000丁程度の販売数となっています。

マーケティング

 中小企業である豆太にマス広告を利用したプロモーションなどを展開する資金はありません。しかし、大きな投資をすることなく、したたかなプロモーションが行われています。

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