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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

特徴なく売り上げ低迷の豆腐店、なぜ高級路線で成功?「常識外れ」の製法を確立、取材殺到

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 こうしたことはすべて手作業であるため、いくら資金力がある大手メーカーといえども、大量生産することは極めて難しいわけです。そもそも消泡剤を使わず、豆腐をつくるためには機械などの設備を変更しなければならず、気軽な新製品投入というわけにはいきません。

 さらに、最も強調すべき点として、従業員のモチベーションの変化が挙げられます。以前は極端なことをいえば、何時に出勤するかわからず、衛生管理も非常に低いレベルでした。社長が何を注意しようとも「どうせ安物だし」ということで終わってしまっていました。当時を振り返り、「自身においても、そういう甘えがあったかもしれない」と社長は語っています。

 しかし、豆太とうふが地元を中心としたメディアで大きく取り上げられ、「近所の人から、あの高級豆腐の豆太で働いているんですね」と声をかけられるようになってから、従業員の意識は完全に変わりました。「それまでは処理するように製造していましたが、現在ではパートも含め、従業員同士が高級豆腐に見合う品質となるようにお互いに注意し、さらに意見を出し合うようになってきており、こうした雰囲気は現在の当社の強みとなっています」と社長は語っています。

 一般に中小メーカーの待遇は大手メーカーほど恵まれておらず、豆太も例外ではありません。しかし、プレミアム商品である豆太とうふにより、極めて高いモチベーションを持つ組織となっています。

豆太の成功のポイント

 こうした事例は、社長の覚悟と強いリーダーシップ、全社一丸となった柔軟かつスピーディーな対応など、中小企業が保持している強みを徹底して実践することができれば、十分ではない資金や人材や設備をはじめとする経営資源における弱さを克服し、大きな成功をつかむことも夢ではないと教えてくれています。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)

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