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70代まで働く時代に、30代後半で動かないと、40~50代で例外なく「消える」

文=城繁幸/人事コンサルタント
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2.自分でコンディションを維持する

 そして一億総活躍社会では、各人は自分で自身のコンディションを管理しないといけません。当たり前ですが、自分で起業したり年俸制で働いている人は、病気や体調不良のツケはすべて自分自身に返ってくるわけです。65歳まで雇用は保証するという建前になっている大企業にしても今後はどうなるかわかりませんし、まして65歳以降は市場原理の中で収入を得ねばならないので、コンディション管理は重要となります。

 数年前『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』(山本ケイイチ/幻冬舎)という本が話題となりましたが、この本で書かれている通り、筆者の周囲でもビジネスパーソンとして気概のある人は、ほぼ100%スポーツジムに会費を払って通っています。もちろん筆者も10年以上ジムに通い続けています。恐らく団塊ジュニア以降の世代は、65歳以降も現役世代と同じく3割以上の医療費自己負担が適用され、なおかつ混合診療の解禁で高度医療費については自己負担となっているはずです。健康維持に注力することは、キャリアデザインに加え老後の医療費負担を抑える意味もあるわけです。

 実は、筆者は家族をつくって家庭を維持することもコンディション管理のひとつだと考えています。それは筆者があえて“健康管理”と書かなかった理由でもあります。共働きというかたちで収入のチャンネルを増やしておくことはリスクヘッジにもなりますし、成人後の子供もなんらかのかたちで家計を助けてくれることでしょう。社会保障制度の整備で希薄になった家族関係ですが。社会保障制度の崩壊とともに再び揺り戻しが起こると筆者は見ています。

3.「仕事が好き」という状態を維持する

 そして、筆者が一億総活躍社会でもっとも重要なスキルと考えるのが「仕事が好き」という状態を維持し続けることです。たまに、これからは年齢に関係なく働かないといけないという話をすると「そういうのはキツいから嫌だ」などと言う人がいます。たぶんその人は仕事が嫌で嫌で仕方ないのだろうと思います。だから最低限のことだけをやって、一日も早く年金受給開始日が来るのを待っているのに、それを先延ばすなんて嫌だ、ということでしょう。

 仕事が好きであれば、組織の中で出世できなくても苦にはならないし、65歳以降も携わることがキツいとは感じないはずです。筆者は「なんでも言われたことをやる代わりに、雇用を保証してもらう」という価値観は、定年が55歳前後だった昭和の頃の価値観だと考えています。これからは70代まで働き続けないといけない時代で、安定性よりも仕事の中身そのものにフォーカスすべきというのが筆者のスタンスです。
(文=城繁幸/人事コンサルタント)

※本稿は、城繁幸氏のメルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」から抜粋・編集したコンテンツです。

【筆者プロフィール】

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●城 繁幸:人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。
ビジスパにて、メルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」を配信中。
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