ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal
たとえば、ウェブサイト「年収ラボ」の調べによると、20代男性の「平均年収(月~金フルタイム生業が基本)」は、318万円。これを単純に12カ月で割ると、26.5万円だ。

ここから社会保障や税金を引かれ、さらにひとり暮らしで家賃も光熱費も取られるとなると、自由になるお金は、おそらく月7万円あるかどうか。そこから、月2.5万円近くをデート代やプレゼント費用に取られるのは、正直言って相当な痛手だろう。
また、男性は恋愛にかけた費用をほかの趣味などと天秤にかけることも多いようだ。取材中、こんな言葉もよく聞いた。
・「前の彼女に使ったお金は、たぶん50万円超え。ドラッグストアで「財布忘れたから貸して」とか言われて貸した分も入れれば、もっといってる。それだけあれば、どれぐらい旅行に行けたんだよ、と思うと頭にくる」(25歳男性)
・「(彼女と)付き合うまでは、ゲームやDVD(購入)に月3~4万円かけられた。正直、それを上回るほどデートが楽しいかっていうと、そうでもない」(28歳男性)
このような気持ちはわからなくもない。前回記事でお伝えしたようなさまざまな「恋愛リスク」があることを考えても、確かに恋愛はコスパに見合いにくい。途中経過がうまくいっても、その結果は、昨今の恋愛シミュレーションゲームとは違って「バッドエンド」になる確率のほうが高いかもしれない。
同棲、肯定派は85%
では逆に、コスパに見合う恋愛や結婚とは、どのようなものなのか。
今回、筆者は拙著『恋愛しない若者たち』を執筆するにあたり、マーケティング会社のクロス・マーケティングや出版社のディスカヴァー21とともに、600人男女に定量調査を行った。
そこで独身400人の圧倒的支持を得たのが、男女2人で家賃や生活費をシェアできる「同棲」だった。また、そのままお試し婚や事実婚へと流れる「同棲婚」も、「ありだと思う、実践してみたい」が、男性37%、女性49%にも上り、「自分は実践しないが、ありだと思う」も含めると、なんと男女とも約85%が「肯定派」だったのだ。

確かに、家賃や生活費をシェアしながら結婚へと進めば、ひとり暮らしをしながら外で会って食事するより、はるかにデート費用は抑えられる。そのうえ、「結婚までのお試し」と位置づければ、時間的にもムダがない。まさに、「コスパでお得」なのだろう。
実際に同棲するカップルは、どれぐらいいるのか。
住まいの情報サイト「アットホーム」の2013年の調査や、結婚式の検索・見学サイト「すぐ婚ナビ」を運営するA.T.bridesが2015年に発表した調査によれば、結婚が決まる前に同棲を経験したことのある若い男女は、それぞれ41~44%も存在する。