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「もう結婚に恋愛は要らない! ~恋愛しない若者たち」 第5回

恋愛はコスパで判断?デートよりゲーム、同棲はお得…「専業主夫」肯定派も急増

文=牛窪恵/マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締 編集=平澤トラサク/インフィニティ
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 ではなぜ、同棲したのだろうか。

「すぐ婚ナビ」の調査によると、「いつの間にか同棲していた」が33%と同棲理由のトップ。わずかだが「結婚を意識したから」の32%を上回った。

 そう、実は「好きで好きで、毎日顔を見ていたかった」から同棲するカップルよりも、なんとなくお得そうだし、一緒にいれば安心感もあるし、と「なんとなく」「いつの間にか」同棲するカップルも多いのだ。

女性が稼ぎ、男性が家事をする「逆転婚」

 また、最近は「彼のほうが料理上手だし」「彼女のほうが稼いでくれそうだから」などといったカップルが、「女性がメインで稼ぎ、男性は主に家事をやる」といった「逆転婚」を選択し始めた。

 先の調査でも、男性ほど「逆転婚」を肯定する傾向は強い。「ありだと思う、実践してみたい」は24%、実に4人に1人にも上るのだ。

 A男(34歳)もその一人だ。結婚相手は、同じ職場の10歳年上の女性。年収は「たぶん、僕のほうが200万円ぐらい下なのかな」と言うが、妻の明確な収入は知らない。家賃や食費は原則シェアし、それ以外は「夫婦別ポケット」。そのほうが「男としてのプライドを保てるから」だと話す。

 一方、B男(26歳)の月収は、バイト代の17万円。基本的に「専業主夫」で、家事はすべて彼の仕事だ。高級ブランドの広報で月40万弱を稼ぐ妻は、結婚前、「もし私と結婚したら、家のこと全部やってくれる?」と直球で攻めてきた。最初は「マジかよ」と思ったそうだが、主夫生活に突入してから、自分の“家事力”に気づいたとB男は笑う。

 世界的に見ても、逆転婚は珍しくない。アメリカでは、すでに夫婦の4割が、妻の収入が上回る逆転婚だといわれている(2010年 アメリカ労働統計局調べ)。韓国でも、女性が主として一家を支える世帯が約530万世帯に達し、全世帯(約2000万世帯)の4分の1を超えているという(2015年 韓国統計庁調べ)。近年は「専業主夫」の増加も顕著だ。

 こうした逆転婚や同棲婚は、「恋愛中、奢るのがもったいない」や「なぜ結婚したら、妻にお金を取られるのか」と考える男性陣にとって、費用面で「コスパでお得」なスタイルなのだろう。

 同棲は、「早く結婚しないと子どもが産めない」と焦る女性にとっても、結婚までの時間短縮につながるはず。「自分より収入がいい男性が見つからない」との悩みも、逆転婚なら払拭できるに違いない。

 ただ、これらコスパ恋愛やコスパ婚には、現在の日本の法制度では「意外な落とし穴」も指摘されている。その穴にハマると、最悪の場合、最も「コスパに合わない」といった、怖い結果を招き得るのだが……。これについては次回詳しくお話ししよう。
(文=牛窪恵/マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締 編集=平澤トラサク/インフィニティ)

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●牛窪恵(うしくぼ・めぐみ)
マーケティングライター、世代・トレンド評論家、インフィニティ代表取締役。1968年、東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。その後、フリーライターとして独立し、国内外で行動経済(心理)学を学ぶ。2001年4月に、マーケティングを中心に行うインフィニティを設立。『所さん!大変ですよ』(NHK総合)、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系列)ほかでコメンテーター等を務める。トレンドやマーケティング関連の著書が多数あり、「おひとりさま(マーケット)」(2005年)、「草食系(男子)」(2009年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネートされた。近著は『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァー21)。

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