「サザエさん HP」より
一方、最近の『サザエさん』は、異質な存在感を放つ1人のキャラクターによって、違う意味で注目を集めている。それも含めて、「普通のストーリー展開のアニメや漫画では物足りない」という人のために、有名作品のカオスな展開が繰り広げられた回を紹介しよう。
『サザエさん』に登場する「堀川くん」
『サザエさん』の異質なキャラとは、アニメ版のみに登場する「堀川くん」だ。例えば、「ホリカワくんの卵」(2014年7月20日放送)という回では、1羽のヒヨコに「わかめ」と名付け、卵が生まれたら「真っ先に人間のワカメちゃんに食べてもらいます!」などと言い出す。
さらに、そのヒヨコが雄だとわかると「堀川二世」と改名、イラストを披露するのだが、そのトゲトゲしいヒヨコの姿は前衛アートさながらだ。びっくりして、猫のタマも逃げ出したほどである。しかも、彼は真顔でこんなことを言って、視聴者をドン引きさせる。
カツオ「すごいよ、堀川くんの絵。タマが逃げていくんだから」
堀川「そんなにほめないでくださいよ」
半端ではない勘違いぶりを発揮する堀川くんが活躍する回は、まだまだ存在する。
壁のしみを弟だと思い込んでカツオに紹介したり、磯野家に不法侵入したあげく、それをとがめられると「ごめん、今度は見つからないようにするよ」とズレた返事をしたり……。国民的アニメに突如として現れたぶっ飛んだキャラは話題を呼び、最近は堀川くんのファンが急増中だという。
作者が病んでお蔵入りに? 幻の『ちびまる子ちゃん』
「平成のサザエさん」とも呼ばれる『ちびまる子ちゃん』(集英社)にも、カオスな回が存在する。こちらはアニメではなく漫画の話で、月刊少女漫画誌「りぼん」(集英社/1995年2月号)に掲載された「まる子、夢について考える」だ。
同回は、洞窟の中で怪しいお面をつけた邪教徒の集団が「神よ、力を与えよ」と叫び踊る、およそあり得ないシーンから始まる。そばには、まる子のクラスメイト「小杉」の死体が転がっている上、その死体にハエがたかっているなど、少女漫画誌とは思えない展開だ。