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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

欠陥マンションは今後も絶対になくならない…国交省と重要な天下り先・建設業界の癒着関係

文=神樹兵輔/マネーコンサルタント
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 当時の小泉純一郎政権で自民党幹事長を務めていた武部勤氏は、国民の高まる不安に応えるかたちで、ついうっかりすべてのマンションの「全棟検査」を行うなどと口走ったりしたものでした。結果的には国交省によるサンプル検査で終わりました。もちろん、全棟検査など大それたことなどすれば、全国のあちこちで新たな耐震偽装マンションが次々と発覚して、業界は壊滅的打撃を受け、経済にも甚大な影響を及ぼすのは必至でした。

 この時は、一級建築士だけでなく、民間の確認審査会社社長、マンションデベロッパー社長などの関係者が逮捕されましたが、結局建築基準法違反で裁かれたのはくだんの一級建築士のみで、そのほかは詐欺や業法違反、名義貸しの建築士法違反などで有罪になっただけなのでした。結局、国交省は法律を若干厳しくしただけで幕引きを図ったのです。

 建築確認システムのずさんな問題点や、役所の隠蔽体質、歪んだ業界の構造的問題などにはあえてふれずに、悪いのは「構造計算をインチキして誤魔化した一級建築士」というかたちで、すべての悪の根源をここに押し付けたのでした。

建設業界と政府の癒着関係

 建設業界は、政治家とも官僚ともズブズブの癒着関係にあることは広く知られています。官僚は大手建設会社に天下るという構図がありますし、建設会社は賄賂である「政治献金」で政治家を手なずけます。政治家もよだれを垂らして、業界からの献金を求めます。ここでもまた、参政権をもたない企業が政治献金という賄賂によって、有権者である国民以上に有力な立場となって政治を動かしている現実があるのです。

 今回もまた、政府は「悪いのは旭化成建材のごく一部である数名の現場管理者だけ」というかたちで幕引きを図るつもりでしょう。そして、かたちばかりの法改正や規制を強めてポーズをつけて終わりにするのでしょう。繰り返しになりますが、国交省と政治家は建設業界とズブズブの関係であり、徹底的に建設業界にメスを入れることなどは望むべくもないのです。

 したがって、これからも、粗製濫造のマンションや学校施設が、隠れた瑕疵を内蔵したままつくり続けられるわけなのです。

 運悪く欠陥マンションに当たってしまった住民は、まったく浮かばれない――という構造は、永久になくなることはないのかもしれません。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)

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