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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

TPP、語られぬ「毒素条項」の恐怖…国民の健康を脅かし、米国企業の金儲けを保護

文=神樹兵輔/マネーコンサルタント
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 安倍政権は、消費税率アップ、法人税減税、原発再稼働、特定秘密保護法、国民監視用マイナンバー、集団的自衛権行使容認、米軍協力安保法制、残業代ゼロ法案、永久派遣法、現金支給首切り容認と、主な政策は日本の米国政府と大企業の言いなりです。

 大企業の意向とあれば、日本銀行総裁の首をすげ替え、危険な異次元緩和に舵を切らせて、約3年間で50%も円安にしています。大企業の輸出を伸ばすのが目的のはずが、大して輸出も増えず、国民が困る輸入食料品価格を値上げさせただけに終わっています。デフレ脱却にも都合がよいと円安政策に飛びついたわけですが、こんな円安政策を米国がよくまあ許してくれたものでした。TPP参加を条件に、どうせ元の木阿弥になると考えて、一時的なドル高を米国政府も容認してくれたのかもしれません。

 そして、安倍政権は「デフレ脱却」などと言いながら、「デフレ大促進」となるTPPを推進しているのです。

 第2次安倍政権誕生のきっかけとなった12年12月の総選挙で圧勝した自民党は公約で、農家の支持を得るため「TPP反対」を打ち出していました。「聖域なき関税撤廃が前提ならば」という条件付きでしたが、途中で「聖域なき関税撤廃を前提としないことが確認できた」と説明し、米国の圧力をはねつけられずに途中参加で乗り出したものです。TPPは最終的に「聖域なき関税撤廃を目指す協定(90%以上)」です。

「息を吐くようにウソをつく」といわれた前民主党政権の真似をしても、メディアコントロールさえしっかりやればやりたい放題ができるということを学んだのでしょう。なにしろ、オリンピック招致のIOC(国際オリンピック委員会)総会の最終プレゼンで「福島原発事故は完全にコントロールされている」などと、当時も今も汚染水が海にダダ漏れ状況なのに、世界に向けて平気で大ウソをつき、マスコミも沈黙を守るよう飼い馴らしてしまったのですから、恐るべき手腕を身に着けたものです。

「秩序」に変更をもたらす

 農林水産省は、TPP締結によってカロリーベース39%の食料自給率が10%台、生産額ベース69%の食料自給率が50%台にまで下がると試算しています。日本の輸出大企業にとっては、自国の農産物が安くて危険な輸入農産物に押されて壊滅的打撃を受けようと、食糧安保が危うくなろうと、しょせん人口減少で市場縮小化する日本の将来のことなど、構っちゃいられないのでしょう。米国多国籍大企業に倣い、「生き残り」を図っていくのが唯一の成長サバイバル策なのですから、TPP推進は大賛成となるわけです。

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