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任天堂の裏切り、「マリオなし」スマホで失望に拍車…迷走深まり株価下落

文=編集部
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 竹田玄洋専務が新設の技術フェロー、宮本茂専務がクリエイティブフェローとして経営に関わり、3人の集団指導体制を敷いた。竹田氏は「Wii」などハードの設計が専門で任天堂の事業全体に関与した経験はない。宮本氏は「マリオの父」と呼ばれる天才的なクリエーターだ。彼がデザインしたゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」は世界一売れたゲームとしてギネスブックに登録されている。しかし、経営者としての手腕は未知数。「結局、消去法で新社長は君島氏に落ち着いた」(業界筋)といわれている。

 君島氏は三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)の出身。創業家の故・山内溥氏からの要請で2002年に米国任天堂に転じ、同年6月に任天堂の取締役に就いた。13年の常務就任後は総務や財務といった管理部門を担当してきた。君島氏は据え置き型ゲーム機「Wii U」の損失を14年3月期に前倒しで計上し、15年3月期に4期ぶりの営業黒字を達成したことで知られる財務のプロだ。

 君島氏は社長就任後初となる15年4~9月期の連結決算の発表会見で、いかにも財務マンらしく5年ぶりの営業黒字を前面に打ち出した。売上高は19.1%増の2041億円、営業損益は89億円の黒字(前期は2億円の赤字)。新機種を発売した携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」や、新作ソフトがヒットした据え置き改良型ゲーム機「Wii U」の販売が伸びた。

 一方、円安の進行が一服して為替差益が7億円と前年同期より148億円減少した影響で、純利益は19.8%減の114億円にとどまった。16年3月期通期の業績見通しは、純利益を16.4%減の350億円とする従来の予想を据え置いた。売り上げの多くを稼ぐ年末商戦で、スマホ向けにマリオのゲームが投入されれば爆発的なヒットが見込めると期待されていたわけだが、結局空振りに終わった。

次の勝負どころ

 君島氏はスマホゲームの発売延期について「もともと大きなインパクトを考えていなかったので、影響はない」として、さらに「(スマホ向けゲームが)すぐに収益の半分を占めるとは考えていない」とも述べている。スマホゲームへの本格参入を期待する市場との温度差が鮮明になった。

 「君島・任天堂」はどこへ向かおうとしているのか。

BusinessJournal編集部

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