この頃天津では、天津の河口で魚が大量死し、海面が死んだ魚の腹で白くなっている姿や、住民の多くが喉の痛みや目の痒みを訴える声など、神経ガスの拡散の影響と見られる情報がインターネット上で数多く発信された。すると中国当局はCAC(中国国家インターネット情報弁公室)を通じて情報規制を強化し、これら情報の掲載されたウェブサイトの閉鎖、アカウントの凍結などを実施し、これら情報は閲覧できないようにされていった。この頃においても中国当局は爆発による死者は百数十人という発表を続けたが、これが明らかに少なすぎるとして世界的な疑惑の目が集まった。

 このようにして情報が封鎖された後の9月5日、中国当局は、被害の本当の実態も、なぜ神経性ガスが充満したのかも不明、爆発事故の原因すらも不明なままで、早くも事故現場を「海港エコ公園」として整備すると発表し、幕引きを図った。これにより世界的な批判が殺到している現状にある。

神経性ガス生産説

 本事件の爆発現場となった天津の浜海地区には、中国情報サイト「人民網日本語版」が報じているように、原子炉海水淡水化工場や原子炉が存在する。この原子炉が爆発によってどうなったのかは、中国当局からは一切明らかにされていない。

 そんな中、日本の中枢である永田町筋の間で信憑性が高いとされている説がある。それが、「中国は軍を中心として大量破壊兵器である神経性ガス(毒ガス)を国連に秘密裏に生産し、天津から出荷していたのではないか」という説だ。

 神経性ガスは日本ではオウム真理教の地下鉄サリン事件以来、サリンやVXガスなどが有名となった。これら神経性ガスは大量破壊兵器であり、国連では「化学兵器禁止条約」により規制されている。同条約は中国を含む国連加盟国のほとんど(2013年10月14日時点で190カ国)が加盟しており、加盟国は関連する化学物質を取り扱う工場、事業はすべて国連のOPCW(化学兵器禁止機関)へ申告し、査察を受け入れなければいけない。

 このために日本でも、関連する化学物質を取り扱う事業所として500カ所以上の事業所をOPCWへ申告し、それについての査察を受けている。また日本では、地下鉄サリン事件に関連して、サリン製造が行われたオウム真理教施設の「第7サティアン」も化学兵器生産施設として申告され、その解体までに2度の査察を受けている。

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