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町田徹「見たくない日本的現実」

24年間運転せず年間2百億円を浪費…悪夢の原発・もんじゅ、安倍首相は「存続」の意思

文=町田徹/経済ジャーナリスト

 しかし、原子力規制委員会は、政府が各地の商用原発の再稼働にお墨付きを与えるために新設した専門機関だ。12年の発足以来、新規制基準を設けて、各施設の安全性の確保を担ってきた。その原子力規制委員会が、機構にはもんじゅの運転準備さえ許さないとの決定を下しているのである。しかも、田中委員長は、前身の日本原子力研究所・副理事長を経て、日本原子力研究開発機構の特別顧問を務めた人物である。いわば身内がダメだしするほど、機構には問題が多いのだ。

 政治家としては、もんじゅを廃炉にした場合、立地自治体の産業・雇用対策が頭の痛い問題なのかもしれない。が、それは別途、真摯に対応すべきテーマだ。経済対策や雇用対策のために安全でない実験用原発の運転を許すなど、あってはならない。

 かつてはバラ色の夢だった原発が、悪夢の原発と化しつつある今、もんじゅにこれ以上拘泥するほどの愚策はない。
(文=町田徹/経済ジャーナリスト)

町田徹/経済ジャーナリスト

町田徹/経済ジャーナリスト

経済ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
1960年大阪生まれ。
神戸商科大学(現・兵庫県立大学)卒業。日本経済新聞社に入社。
米ペンシルべニア大学ウォートンスクールに社費留学。
雑誌編集者を経て独立。
2014年~2020年、株式会社ゆうちょ銀行社外取締役。
2019年~ 吉本興業株式会社経営アドバイザリー委員
町田徹 公式サイト

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