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渋谷駅に神がかり的な立ち食いそば店!席着くと同時にそば来る、尋常ではなく美味!

文=牛嶋健/A4studio
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レジスタッフ装着のマイクが鍵

本家しぶそばはもともと『そば処二葉』という名で営業していましたが、08年から名前を改めてリスタートしました。現在は、東急線沿線を中心として渋谷の本家しぶそばを筆頭に、しぶそば10店舗を東京都内や神奈川県内に展開しています」(畠山氏)

 合わせて11店舗の中で券売機を使わずに営業をしているのは渋谷の本家しぶそばのみだそうだが、それには理由があるという。

「こちらの店ではレジで注文を受けていますが、そのやり取りをマイクで拾ってキッチンへ伝えています。そのレジ担当者のマイクの声を聞き、わかる範囲内でキッチンは先取りした動きができるんです。もちろんお客様からの注文が終わった段階でレジ担当者からあらためて正式にキッチン担当者へオーダーを飛ばしてはいますが、その段階でもうすでに調理途中であるケースが多いということですね」(畠山氏)

 一般的な立ち食いそば店の場合、券売機で食券を購入してスタッフに渡すわけだが、そうなると「食券の確認」「商品の受け渡し」などをキッチンのスタッフが行わなくてはならず、提供速度が遅くなってしまうのだろう。だが同店ではレジに1名、ホールに2~4名、キッチンにも2~4名配置されており、ランチタイムのピーク時には最大9名が店舗で働いているそうだ。こうしてキッチンとホールの作業を完全に分担することで提供速度も上がり、キッチンスタッフは味の質にも気を配ることができるようになる。もちろんその分、人件費も膨らむわけだが、それでも利益が上回るという。

「駅の中にある立ち食いそば店という特性上、お客様の時間を大きく奪うわけにはいきません。とはいえ、私たちから従業員にとにかく速くしろと指導しているわけでもないのです。旧店舗の『二葉』の頃から従業員達の中に“速く、うまく、お客様に提供しよう”という文化のようなものが根付いているのだと思います。そういった文化がお客様にも伝わって、平日の場合、1日の利用客数が2000人前後にもなっているのだと考えております」(同)

 前述の「飲食店営業(そば・うどん店)の 実態と経営改善の方策」によると、立ち食いそば店の1日の利用客数は平均166.7人。その12倍以上の2000人となると、都内有数のターミナル駅とはいえ尋常ではない数字であることは明白だ。その分の利益をきちんと従業員の数として還元することで、サービスの向上や来店客のリピートにつながっているのではないだろうか。
 
「弊社としましては、飲食店としてしっかりと着実にお客様にサービスを行っていきたいという考えがあります。提供速度もそうですが、そばにしても関係各社にご協力いただいたうえで生麺の配送を1日2回にしたり、夏と冬で麺の細さを調整してもらうなど、細かな部分まで気を遣っております」(同)

 立ち食いそば店はセルフサービスの部分が大きいため、忘れられがちなサービスや味の部分をしっかりとフォローする。それこそが本家しぶそばに毎日2000人が訪れる秘密なのかもしれない。
(文=牛嶋健/A4studio)

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