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小林敬幸「ビジネスのホント」

ヤフーとグーグルが巨額の利益を得る「当たり前すぎる」理由

文=小林敬幸/『ビジネスをつくる仕事』著者
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(2)ソリューション(解決策)の価値

 ユーザーにとって大きなメリットがある解決策を提示できるならば、付加価値が高いのでサービスの単価をより高く設定できる。逆に、解決策によって提供できる価値が少なければ安い利用料しかとれないし、多くの場合利用してくれない。

 例えば、胃カメラ、CTスキャナーなどの医療検査サービスは、見つけた病気に治療法があり、早く見つけることで命が助かるので高い単価を払ってもらえる。

 天気予報は、高い価値のソリューションを提供できる。雨が降るときに傘を持っていけばずぶ濡れになるのを避けられるし、台風のときは厳重に備えることができる。天気を変えることはできないので受け身ではあるが、命を救う立派なソリューションではある。従って、このサービスの提供のために気象衛星などに多額の資金が投じられている。

 DNA情報のソリューションは、ほどほどのレベルだ。DNAを変えるというソリューションはないが、なりやすい病気を予測し予防的生活習慣をしたり、予防的摘出手術をしたりできる。しかし、いずれもユーザーにとって苦痛と効用のバランスの悪いソリューションではある。

 現在、商品の販売データ、街の人の流れのデータなどを提供するビジネスがしばしば提案される。しかし、それによってクライアントの販売増につながるソリューションを提供できなければ、大きなビジネスにならない。

(3)個別性

 ユーザーの個人ごと、小さなグループごとにデータが異なり、個別対応して異なるソリューションを提供する。そういうビジネスは高い顧客ロイヤリティを確保でき、競合との過剰な価格競争を避け、結果としてそのビジネスの寿命が長く、かつ収益性の高いビジネスにしやすい。

 天気予報は、個別対応ではないので民間のビジネスとして成立しにくい。その地域一帯数万~数百万人が同じ天気の下にあるので、個別対応とはいい難い。このように、個別ではなく大勢に対応して高いソリューションを提供するものは、民間ビジネスよりも税金による公的サービスとなる。税金を使って気象庁が国民に無償で提供する。従って、民間系天気予報サービスのウェザーニューズは、気象庁と一面競合する消費者向け(B2C)の天気予報よりも、企業向け(B2B)に個々の船の航路アドバイスをするビジネスで高い収益を得ている。

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