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小林敬幸「ビジネスのホント」

ヤフーとグーグルが巨額の利益を得る「当たり前すぎる」理由

文=小林敬幸/『ビジネスをつくる仕事』著者
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 DNA分析は、これこそ究極の個別対応データである。解析された個人のDNAデータから、その個人にぴったり当てはまる個別の効果的なソリューションを提供できれば、高い収益率を出すことができる。

 例えば、基礎体温データを記録し分析するルナルナなどは、個別対応ができている。また、書籍のEC(電子商取引)などで個人の購買履歴からおすすめを提示するサービスも個別対応といえる。

ヤフーとグーグルが巨額の利益を得る「当たり前すぎる」理由の画像3

 天気予報とDNA解析について、それぞれの3要件への適応度をまとめて表現すると図のようになる。

利益を生むデータ分析、利益を生まないデータ分析

 これらの例を参考に、ほかのデータビジネスについても、3つの要件をどれくらい満たしているかみてみよう。

・検索連動広告:(1)○、(2)○、(3)○

 グーグルやヤフーが行っている検索連動広告は、まずその言葉がどれだけ多く検索されるか、日々変わるデータに基づいたサービスだ。またクライアントにとっては、自社のホームページへのアクセス増、ひいては売り上げ増に直結するソリューションの提案になっている。そして個人にとってもクライアントにとっても、言葉ごとに個別のニーズに対応するサービスである。従って巨額の収益を生み出すビジネスになっている。

・腸内フローラ分析:(1)○、(2)△、(3)○

 4月4日付本連載記事『糞便移植で病気治癒?腸内細菌研究の衝撃 病気・肥満・認知症に多大な影響』でも紹介した「腸内フローラ分析」は、どうだろう。腸内フローラは毎日といわずとも食生活などによって数週間単位で変わっていくので、更新頻度は高い。ソリューションの提供については、健康食品や漢方など有力候補はあるが、今のところ、ビフィズス菌をカプセルにいれて飲む程度のソリューションしか提示できていないようなので、△だといえる。個別性の点では、人それぞれ親子でも大きく違うので、一旦効果が実感できると継続的な顧客を確保しやすいだろう。

 繰り返しになるが、この3つの要件のどれかが欠けているとダメだというわけではない。不足している部分を補う方策を講じ、ポジショニングを変えればよいだろう。あくまで前向きに使う道具として、この仮説を利用していただけるとありがたい。

 いずれにしても、世の中のいろんなデータ分析ビジネスについて、3つの要件をどの程度満たしているか考えてみると、いい頭の体操になるのではないだろうか。
(文=小林敬幸/『ビジネスをつくる仕事』著者)

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