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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

がん検診が「がん」をつくっている恐れ…胃がん検診に正当な根拠なし

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 結局、ガイドラインで科学的根拠として取り上げられた5つの調査論文のうち、3つまでが、胃がん死亡を減少させる効果を証明できていませんでした。

 その後、以下のような新しいスタイルの調査も行われています。ある論文は、一般市民にアンケート用紙を送付し、回答があった人たちを13年間も追跡したと報じています。アンケートでは、「過去1年以内に胃がん検診を受けましたか?」という質問とともに喫煙、飲酒、運動習慣、食生活などが問われました。最新の統計学によれば、このようなデータから、結果に影響を及ぼす要因を計算で消し去ることができますので、この点は大いに評価できるところです。

 その結果、「過去1年以内に胃がん検診を受けた人」は、その後の13年間で、胃がんによる死亡が46%も少なくなり、また原因によらず死亡した人の総数も17%少なくなっていたそうです。この結果に対しては、

「胃がん検診は13年に1回受ければいいのか?」
「胃がん検診を1回受けるだけで、生存者が2割近くも増えるのはなぜか?」

 など、素朴な疑問が次々に浮かんできます。このように不自然な結論になってしまうのは、方法に根本的な間違いがあったからです(9月10日付の本連載記事参照)。

 結局、ガイドラインの内容は杜撰であり、また斬新な統計学を駆使して行われたはずの新しい研究成果も、実は信頼性に欠けるものでした。

 最近は、レントゲン検査ではなく胃カメラによる検診が普及していますが、その効果を証明したデータも今のところありません。いかなる胃がん検診も、それを正当化する根拠は存在しないのです。

 むしろエックス線による被曝で、新たな胃がんがつくり出されている可能性さえあります。がん検診を中止しない限り、胃がんは日本から永久になくならないことでしょう。
(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)

参考文献:Int J Cancer 2003;106:103-7.

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