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工事担当者の3割がデータ改竄…旭化成に忍び寄る危機 稼ぎ柱ヘーベルハウスに大打撃

文=編集部
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 国土交通省は建設業法違反の疑いで旭化成建材本社を立ち入り検査した。今後、「営業停止」などの行政処分を下すことになる。営業停止は通常2週間程度だが、今回のケースでは一罰百戒の意味も込めて厳罰が予想される。

 現在販売中の新築マンションは、「旭化成グループは使っていません」とうたうのが当たり前のようになっている。旭化成建材は三井住友建設のほかにも、清水建設、竹中工務店、大林組、鹿島、大成建設の下請けとして入った工事がある。発覚後、建材事業の営業活動を自粛しており、今後大手ゼネコンからの新規受注が全面ストップすることもあり得る。

 建材事業の16年3月期(通期)の売上高は500億円、営業利益は50億円を見込んでいる。来期は大半の売り上げと営業利益が消える可能性がある。これに対策費用などの損失が重くのしかかる。建材事業の解体が俎上に上ることも考えられる事態なのだ。

旭化成の顔に泥

 純粋持ち株会社である旭化成は傘下に「ケミカル・繊維」「住宅・建材」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」の4事業領域を持つ。

 旭化成ブランドのイメージダウンで最も深刻な影響が懸念されているのが、旭化成ホームズだ。「住宅・建材」事業の中核となっている「へーベルハウス」のブランドで知られる住宅メーカーである。住宅事業の16年3月期の売上高は5870億円、営業利益は620億円の見通し。売上高は全社の3割弱、営業利益は4割弱を占める稼ぎ頭だ。

 今や、実業団駅伝チームとともに「へーベルハウス」は旭化成の顔ともいっていい存在だ。9月に茨城県を襲った洪水では決壊した鬼怒川周辺で大半の住宅が濁流に流されるなか、へーベルハウスの住宅だけが残ったことで強度・耐久性への評価が一段と高まっていた。

 旭化成ホームズは、戸建て住宅では積水ハウス、大和ハウス工業に続く第3勢力に浮上していた。不動産経済研究所と市場経済研究所がまとめた14年度全国戸建て供給ランキングでは大東建託が6万6314戸で断トツの首位である。

 旭化成ホームズの15年度の供給計画戸数は前年度比12.4%増の1万9650戸。大手戸建て住宅メーカーの中で唯一、2ケタの伸びを計画していた。小堀専務執行役員は住宅事業についても、「今後の受注いかんでは来期業績に影響する」と認めた。住宅事業は旭化成のドル箱。販売が落ち込めば、旭化成本体の業績に大きな打撃となる。

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