今後、訴訟や社内調査などにおいて理彰氏の行為が事実と認定されれば、通常の企業であれば懲戒処分は免れないし、場合によっては懲戒解雇もあり得るが、おそらくアイシンAWはうやむやにして握り潰すだろう。会社側にも甘やかせてきた道義的責任は十分にあるのではないか。

 現在、トヨタはアベノミクスのよる円安の恩恵を受けて、業績は絶好調で過去最高益を更新している。このため、トヨタグループの下請け企業もその恩恵にあずかる一方で、グループ内には「緩み」「驕り」も出始めている。系列販売店でも、名古屋の高級ホテルで常軌を逸した懇親会を実施して、急性アルコール中毒の社員が続発、ホテルから今後の出入り禁止の要請もあった。理彰氏が取った行為も、自分は創業家だから、自分は日本経済をけん引しているトヨタグループの幹部だから、何をやっても許されるという「驕り」以外の何物でもない。

 トヨタグループには、日々仕事に汗水をたらし、こつこつ努力を積み上げるタイプの社員も多い。そうした一人ひとりの努力の積み重ねが今の栄華を築いてきた。しかし、理彰氏の取った行為は、こうしたこれまで努力してきた一人ひとりの従業員の顔に泥を塗るに等しい行為で、会社のイメージも大いに損なわせる。
(文=編集部)

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