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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

抗がん効果が話題のベータ-カロテン「のみ」過剰摂取は危険!がんリスク増大など体に害の恐れ

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

健康的で人間らしい食事とは

 本来の栄養学は、どのような栄養素が人間に健康をもたらし、どのような物質が害を与えるのかを解明し、それらを反映して、どういう食事が人間にとって最も望ましいものなのかを考え指し示す学問であったはずです。その結果として、人間が最高の健康状態を実現できる具体的な食事の内容と、実践可能な方法を提示するべきなのですが、昨今の栄養学は少し方向性がずれてきているように思われます。

 栄養学は日進月歩で、どんどん新しい栄養素が発見されています。もちろん、それ自体は素晴らしいことで、今後も新たなる物質が発見されていくことでしょう。それらの物質が、どのように私たちの健康に役立つのかということも解明されていくでしょう。

 しかしそれは、もともと存在している多くの未発見物質のうちから、ひとつの物質が発見されたにすぎません。科学的な分析能力の向上に伴い、今後も発見され続けていくでしょう。要するに私たちは、常にその途上にいるのです。そのプロセスの果てに、いつかは自然の営みのすべてを解明できる日が来るかもしれませんが、今現在私たちが知り得ていることは、その1%にも及ばないのかもしれません。

 特定の栄養素に効果を期待するのではなく、自然の恵みをありがたく頂くという、人間らしい食事のあり方を取り戻していきたいものです。そしてまた、栄養学に期待したいのは、わずかばかりの効果が認められた物質を入れた低俗な飲料・食品の研究開発などではなく、人間にとって最も適した食事のあり方をわかりやすく教えてくれることです。

 かぼちゃと聞いて、冬至ではなくハロウィンを思い浮かべてしまうという方、この冬から少しだけ思考を変えてみてはいかがでしょうか。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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