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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

極めて利便性高い日本の伝統・郵便事業を破壊!郵政民営化&上場は国民に深刻なデメリットばかり

文=神樹兵輔/マネーコンサルタント
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公共性と市場主義経済は相容れない

 米国は自由競争の守護神のような国ですが、市場主義経済がはびこりすぎれば、公共性や弱者の存在がないがしろにされるのは当たり前です。

 今や、米国では有権者よりも、多国籍大企業が政治の主導権を握っています。日本も戦後70年で、そうした構造が米国にだんだん近づいていますが、へき地や山間部に住む国民は、今後郵便事業などが危機に陥れば真っ先に犠牲にされかねないわけです。

 ユニバーサル事業は、公益性、公共性が第一に求められます。国民誰もが均一性、利便性を享受できるという体制は、本来市場主義とは相容れないのです。

 「ゆうちょ」も「かんぽ」も1兆円に上る郵便窓口使用料を日本郵便に払うかたちだからこそ、日本郵便も事業継続が図れますが、株式会社としての効率性重視が求められれば、今のように郵便窓口使用料をいつまでも日本郵便に払い続けることが許されなくなる可能性を秘めていることに気が付かなければいけません。

 「ゆうちょ」や「かんぽ」のような膨大な資金量をもつマネーカンパニーの行方も不透明です。今までのように国債を買い続けていても、将来の成長性は見込めないからです。
 
 では、いったいどんな運用をすべきなのか。答えは見えません。与信能力がないのですから、貸し出しもままならないわけです。住宅ローンに乗り出すぐらいが関の山でしょう。
 
 このように見てくると、「郵政民営化」は、日本の古きよきシステムをバラバラに破壊しただけで、国民のためになるような仕組みは、どこにもないのです。まさしく大山鳴動して鼠一匹どころか、日本を米国の都合の良い国へと近づけただけにすぎなかったわけです。 

 小泉首相の罪深き業績として、記憶に留めておきたいゆえんなのです。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)

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