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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

ネット検索はもう「終わり」?「画像」が売上を左右する時代?若者のネット事情昨今

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio

 国内のスマートフォン(スマホ)普及率は今年8月末時点で49.7%に及んでおり、特に20代の所有率は総務省の統計調査によると94%にもなっているという。当然インターネットの利用動向にも影響しているようで、ニールセンの調査によると、インターネットの利用時間はPCを使用する人の利用時間平均が1日54分なのに対して、スマホは同1時間48分と2倍にもなっている。

 人々をインターネットにつなぐデバイスがこのように変わってきたことで、中高生や大学生の情報の取得方法にも変化が訪れている、と指摘するのは立教大学経営学部教授の有馬賢治氏だ。

「30~40代に比べて、10~20代ではPCよりもスマホやタブレットでのネット利用者が増加傾向にありますが、結果として消費しているコンテンツは動画やゲーム、特定のサイトなど、ほかの世代との差はさほど大きくないようです。しかし、得たい情報へのたどり着き方が近年大きく異なっていると感じています。というのも、最近の中高生から大学生は、自らの好みでブックマークやお気に入りをつけたページから情報を得るという、一昔前では当たり前であった情報取得をしていないのです。最近の若者は、FacebookやLINEなどSNSのタイムラインから拡散され、リンクの貼られた先での情報を好んで見ているようなのです。つまり、情報源を他者に依存し、誰かに勧められたものを受けとるという形での情報取得が主になってきているのです」

 同じく総務省の調べによると、SNSの利用率は10代が78.6%、20代は95%。スマホを所有する若者のほとんどはこのようなサービスを日常的に使用しており、必然的にここから情報を得ることも多くなってきているというわけだ。有馬氏は続ける。

「若者にとってインターネットは情報を取得する手段ではなく、コミュニケーション手段と認識していると考えていいでしょう。つまり、コミュニケーションの付帯的要素として情報を入手している、と考えられます。IT業界の知人の話では、やがてはインターネットの検索機能さえ利用しなくなる層が大半を占めるのでは、と実感しているそうです」

 SNSのタイムラインで話題に上がったかどうかで、取得できる情報が変わってきてしまうということは、若者は情報の視野狭窄に陥りやすい現状にさらされているといえそうだ。マーケティング的にも、SNS上で話題に取り上げられなければ、購買動機を刺激しにくい時代になっているというのも有馬氏の考えだ。しかし、それをうまく利用することで企業は勝機を得ることができるという。

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