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蒲谷茂「自分のからだは自分で守る」

毎日の歯磨きだけでは危険!口内に細菌の塊、虫歯や歯周病、歯を失うおそれも

文=蒲谷茂/医療ジャーナリスト
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歯を1日2回磨くだけではだめ

毎日の歯磨きだけでは危険!口内に細菌の塊、虫歯や歯周病、歯を失うおそれもの画像1「Thinkstock」より

 わたしは3カ月に1回歯科で検診を受けている。虫歯の有無、歯周病の進行状態などもチェックしてもらうが、一番の目的は歯の清掃である。

 毎日歯を磨いているという人は多い。統計を見ると1日に2回以上磨いている人は5割を超えている。かなり時間をかけてしっかり磨いているという人もいるはず。確かに虫歯は減ってきた。

 しかし、虫歯は減ってきたが、歯を失う人はまだまだ多い。歯磨きというと、歯を白くきれいにすることだと思っている人も多いが、心がけるべきことはあくまでも清掃だ。

 清掃の目的は、歯に付着している細菌を減らすこと。プラークや歯垢などといわれるが、これらは細菌の塊。そして、細菌によって、台所のシンクにあるバスケットにつくぬるぬるしたものと同じものが歯につくられる。

 これを専門的にはバイオフィルムという。バイオフィルムとは、細菌がつくりだす膜で、この膜の内側で細菌たちが、ぬくぬくと数を増やしていく。バイオフィルムはこすってとらなければなくならない。口をすすぐ程度ではとれない。

 バイオフィルムが歯の根元にできれば、虫歯菌だけでなくそこには歯周病菌も巣くうことになる。歯の清掃とは、このバイオフィルムを取り去ること。歯を磨く上では、歯の表面の細菌を完全にとることが重要なのである。

しっかり磨いても細菌が残っている

 しかし、これがなかなか難しい。とくに歯と歯の間の汚れがとりにくい。わたしは歯ブラシで歯の汚れをとるだけでなく、歯間ブラシを使い、さらにフロスという細いナイロン製のひもを束ねたもので歯と歯の間の汚れをとっている。

 これでも十分ではない。3カ月に一度のチェックでは、磨き残しの割合が今までで一番よかったときで8%、少々手を抜いたなというときは15%ぐらいまで増えてくる。それだけ歯の清掃ができていないというわけだ。

 そこで、登場するのが専門家である。歯の徹底的な清掃をお願いする。これが前回紹介したPMTCである。プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略だが、プロは歯科衛生士(歯科医も含む)、メカニカルは機械的、トゥースは歯、クリーニングは清掃を意味する。歯科衛生士がなぜここで登場するかというと、歯科衛生士の仕事のなかに、歯科の予防処置という項目がある。虫歯や歯周病などを予防するために、薬物の塗布や歯のクリーニングをはじめとする予防処置を行うというものだ。これは歯科衛生士法の第2条に明記されている。

蒲谷茂

蒲谷茂

医療ジャーナリスト。1949年生まれ。立教大学卒業後、健康雑誌『壮快』の編集にかかわり、8年後に独立。多くの医療・健康に関する雑誌の編集・執筆、テレビ番組の企画・制作にも携わる。95年『大丈夫』(小学館発行の健康雑誌)の創刊編集長に就任。その後、30年以上にわたる経験や人脈を生かし、自分のからだは自分で守るための情報を発信し続けている。著書は、『民間療法のウソとホント』『歯は磨くだけでいいのか』(共に文春新書)、『測るだけで大丈夫』(八重洲出版)、『死に至る病・チェックブック』『自宅で死にたい』(共にバジリコ)などがある。現在、八ヶ岳南麓に住み、エフエム八ヶ岳のパーソナリティもつとめている。

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