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榊淳司「不動産を疑え!」

マンション購入の「最悪の結果」…管理組合で修繕積立金の不正横行、無駄&法外な工事

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 区分所有法は、マンションの管理組合が民主的に運営されることを目指している。制度もそのように設計されている。しかし、民主主義はその前提として選挙民がしっかりと政府の行動をチェックして、賢明な判断をすることでしか機能しない。もし、選挙民が自ら選んだ政府の行動に無関心で、デマやプロパガンダに誘導されやすく、賢明な判断を下せないとすれば、それはチャーチルの言うように「最悪の政治体制」でしかない。

 同様に、マンションの管理組合においても、各区分所有者が理事会の活動に必要な関心を示して議案をチェックし、総会に出席して意見を述べ、賛否を投ずる活動をしていないと、それは「最悪」の結果を招く。今回の11億円横領事件がその典型だ。

 この前理事は15年間も理事長を務めていたというから、ほぼ絶対的な権力を持っていたはずだ。そうでなくても、総会を開けば「議長一任」の委任状は議長を務める理事長が握ることになる。

多くの管理組合で不正蔓延

「絶対権力は絶対的に腐敗する」

 これは、政治学上の常識である。区分所有法は、肝心なところが非常に大雑把にできている。また、理事長や理事が不正を働く、ということをほとんど想定していない。性善説的な法律だ。しかし、現実には多くの管理組合で理事や理事長が不正を働き、私腹を肥やしている。管理費や修繕積立金を、最終的には自分の懐に仕舞い込もうと、さまざまな悪事を働いているのだ。

 一方で、やる気のない理事長や理事で構成される管理組合は、管理会社のいいようにたかられる。無駄な修繕工事を提案し、自社施工で高い見積もりを出してくる。管理会社は、自社が業務委託されている管理組合が集める管理費や修繕積立金は、すべて自社の売り上げだと思い込んでいる。実際、管理費はほとんど管理会社に支払われるし、修繕積立金は未来の「売上予定」なのだ。

 管理組合の運営は、基本的に民主主義的に行われる。しかし、各区分所有者が民主主義の前提を忘れて、権利と義務を放棄すると必ずや大きな損失を被る。我々国民がダメな議員を選挙で選び、国会や地方議会に送り出すのと、構造的には同じなのである。
(文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト)

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