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牧田幸裕「得点力を上げるための思考再構築」

カルビー、常に驚異的な成長継続の秘密…なぜ子供数減でも菓子売上が右肩上がり?

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 コンビニエンスストアでも「大人の菓子需要」取り込みが進んでおり、ファミリーマートでは12年から中高年層をターゲットとした「おとなのおやつ」を展開し、ローソンは14年から原材料や製法にこだわった「大人向けプレミアム菓子シリーズ」を開始している。

 カルビーも「大人向け」に対し積極的に展開している。大阪の阪急うめだ本店地下1階にあるカルビー直営店舗「GRAND Calbee」では、カルビー史上「最厚」となるポテトクリスプを販売し、休日は整理券が配布されるほど人気を博している。同社の伊藤秀二社長も、大人向けへの浸透シナリオとして「まず若い女性をターゲットに、健康とか素材感とかキーワードを出して話題を作り、その次に周囲にいるおばさん、おじさんにつなげていく」ことが重要だと指摘している。

マクドナルドの成功体験

 かつてマクドナルドが強かった時代、このような「子供の頃の使用体験」を継続し、ターゲット顧客を拡大する施策がうまく機能していた。幼稚園児、小学校低学年向けにハッピーセットを発売し、ポケモンや仮面ライダーなど、「旬」のおもちゃを呼び水に、マクドナルドの使用体験を積ませる。その後、彼らは中学生になり高校生になり、学校帰りに友人と「喫茶店代わり」「受験勉強の自習室代わり」にマクドナルドを使用する。やがて大学を卒業し、子供ができたママは、ママ友との「喫茶店代わり」にマクドナルドを使用し、そこで一緒に来店した子供は、「子供の頃の使用体験」を積み始める。

 カルビーも、ポテトチップスやかっぱえびせんなどの「子供の頃の使用体験」を継続させ、大人向けへの販売を強化しているわけだ。

 したがって、2番目の仮説であった「お菓子業界は、新たなターゲットを創出することにより、市場規模を拡大している」は、正しかったといえる。

 もっとも世代セグメント別の売り上げ増減については、まだわかっていない。だから、お菓子業界各社が、大人需要の取り込みを図っていることはわかるが、それが功を奏しているかどうかは、まだ確実だとはいえない。

 しかし、新聞やビジネス誌を読みながら、常にこのような疑問を持ち、自分なりの仮説を持つこと。そして、仮説に対する検証を行うこと。これがビジネス分析の視点を持つうえで必要なセンサーとなる。ちょっと時間をかければすぐにできることなので、ぜひ読者諸氏もチャレンジしてみていただきたい。
(文=牧田幸裕/信州大学学術研究院<社会科学系>准教授)

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