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酒の飲み過ぎは肝臓によくない! では、膵臓、胃腸、心臓、脳、神経系、筋肉系、骨格系、ホルモン系、生殖系などへの影響はないのか?
今回は酒が、膵臓、胃腸、心臓に及ぼす甚大な障害やリスクを噛み砕いて話そう。
危ないのは肝臓だけじゃない!
酒の飲み過ぎは膵臓も窮地に追い込む。膵炎や膵臓がんは、なぜ恐いのか?
膵臓は、みぞおちから少し下の胃の裏側に左右に横たわるようにある。長さ15〜20cm、幅3〜4cm、厚さ2cm、重さ120g。淡黄色の細長く小ぶりの器官だが、きわめて重要な2つの働きをする。
ひとつは外分泌機能。食べ物を消化する消化酵素のすい液(1日当たり約1.5ℓ)を作り、胆汁を混ぜ合わせつつ、炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素を消化しやすい状態に分解し、十二指腸に送る。もうひとつは内分泌機能。血液中の血糖値を調節するインスリン、グルカゴンなどのホルモンを分泌し、血糖値を一定に保っている。
膵炎は、酒の飲み過ぎによるすい液の分泌過剰、膵管の狭窄のほか、脂肪の消化を促す胆汁成分が胆嚢や胆管の中に固まる胆石症、高脂血症、薬剤の投与など、複合的な要因で起きる。
症状は、腹部の激痛、下痢、吐き気、発熱などを伴う。急性膵炎と慢性膵炎があり、急性膵炎は死亡するリスクも高い。