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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏

コメダ、スタバを「超える」驚異的成長!過酷な秘密の特訓、社長自ら店員として労働

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

「教育・研修」を充実させ、経営の「見える化」も進めた

 ファンドが経営を担って以降、個人商店の色合いが強かった同社も進化してきた。たとえば、近年は人材教育に力を入れている。

 その象徴が研修だ。展開する店舗の大半がFC店で、各店舗での接客はFCオーナーに委ねてきた同社の本部が、全社的なセンター研修を始めたのは09年だ。神奈川県のコメダ珈琲店横浜江田店の敷地内に併設した。11年には大阪府大阪市に、14年2月に東京都渋谷区に研修センターを各事務所に併設したのに続き、同年4月に福岡県福岡市(コメダ珈琲店九大学研都市店)、15年1月には佐賀県鳥栖市(コメダ珈琲店鳥栖弥生が丘店)にも開設した。福岡市と鳥栖市の2カ所は直営店への併設で、昨年から一段と研修拠点を充実させたのだ。

「研修は正社員向けで、14年度の受講者数は358人でした。内訳は渋谷155人、大阪149人、福岡54人となっています」(同社担当者)。企業規模の拡大とともに、新卒や中途採用も増えており、15年は各地で計45回も研修を実施する予定だという。

 研修は期間も長い。センター研修では9時から17時までで、1時間の休憩以外の時間でコメダの理念や衛生管理、調理基礎、基本オペレーションなどを8日間かけて学ばせる。従業員役・お客様役に扮してのロールプレイングや、サンドイッチなどの調理実習も行う。研修メニュー修了後は検定を行い、合格しないと次の「入店研修」に進めず、再検定を受講する。

 その後の入店研修は、直営の各店舗で実地研修(シフト制の交代勤務で9時間拘束・1時間休憩)となり、これが54日間続く。この日程には「マネジメント検定」と「オペレーション検定」が含まれ、前者の検定に合格したら後者の検定に進み、すべて合格すると認定書が発行される。その後に各配属先に配置されることになる。

 大手競合から転職した社員は、「前職は研修期間が3週間だったので、コメダの54日間(8週間弱)は『ここまで時間をかけるのか』と驚きました」と語る。

 経営トップの「見える化」も進む。加藤社長時代は同社に取材を申し込むと、営業部次長が対応したが、臼井氏になってからは、時には社長本人が対応するようになった。

コメダ、スタバを「超える」驚異的成長!過酷な秘密の特訓、社長自ら店員として労働の画像5店舗を再現した研修所の内部

無理な拡大はせずに、人材力を高めながら取り組む

 国内の外食業界は「1000店」がメガブランドの目安となる。日本マクドナルドや日本ケンタッキー・フライド・チキン、ミスタードーナツなどはいずれもこの数字を超えている。カフェ業界で近年、スタバやドトールを上回るスピードで店舗拡大を続けるコメダだが、「単なるgrowth(拡大)ではなく、quality growth(質を伴う拡大)」で出店していくという。

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

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