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鈴木貴博「経済を読む目玉」

米国政府が恐れる、最もショッキングな未来予測…世界の変化を引き起こす根本的要因

文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役
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 後ろの3つの要因は、比較的理解しやすいだろう。以前はアメリカとロシア(旧ソ連)という二極で世界全体を語れる時代が長く続いたが、今の世界に影響を及ぼすパワーは米国、ロシア、中国、EUといった大国だけでなく、新興国から発展途上国、地域的には南米、イスラム諸国やアフリカまでより多極化している。

 技術革新も近未来においては、これまでとは違う未来を形成する兆しが見え始めている。象徴的なものは、ゲノム技術やiPS細胞といった生命にかかわる技術と、人工知能がもたらす革新であろう。人口爆発と気象変動も、これからの未来に大きな変化をもたらす要因であることについて容易に想像がつく。

 しかし、それらの要因よりも異質で、かつバロウズ氏が最初に挙げた「個人へのパワーシフト」とはなんだろうか。実は、このキーワードがこれまでわれわれを混乱させていた不安定でショッキングな世界の変化を引き起こしている根本的かつ最重要な要因で、ひいては米国政府が最も恐れる未来のリスク要因なのだというのである。

個人へのパワーシフト

「個人へのパワーシフト」を、私なりに噛み砕いてわかりやすく説明しよう。

 過去20年で私にできることが格段に増えたと考えている。作家として、個人の立場で以前ではありえなかったほどの大量で質の高い情報を集め分析し、世の中に向けてダイレクトに考えを情報発信することができるようになった。そう感じている。私は、この20年で非常に大きいパワーを手にしたのだ。

 ところがあなたもそうかもしれない。

 実際にあなたがそうなのかどうかはわからないが、たとえば個人の立場で少しだけの資金を元手に株式の信用取引を始めて、自宅に何台ものPC端末を配置してプロ顔負けに株式相場を動かすぐらいの取引を仕掛けることを、あなたがそう思い立ちさえすればできていたかもしれない。

 ブログやSNSを通じて日常生活をアップしているうちに、いつの間にかカリスマ的な影響力を社会にもたらすことができている人もいるだろう。

 いやそんなかたちで世界を動かす存在ではなくても、スマートフォン(スマホ)とインターネットの恩恵だけを考えても、仲間たちとの日常の連絡も、買い物も、移動の手間も、以前に比べるとずっとパワーアップしているはずだ。

 問題は、それが私やあなただけではないということだ。日本中の個人が以前よりもパワーを持つようになっているのだ。そして世界のレベルでみると、世界中の個人がそれぞれ以前よりもパワーを持つようになっている。

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