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さらにケータイ料金が上がる公算…格安スマホ普及を妨げ、業界の競争力も削ぐ愚策

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 しかし、そのことが定期的な端末の買い替えを促し、国内で最新の通信インフラをいち早く普及させるのに大いに役立っている。実際、LTEによる高速なインフラがいち早く広まったのは、日本のほか米国、そして韓国と、いずれもキャリア主導で端末販売が進められていた国である。

 また、高価格な端末を安価に販売することは、国内で高性能な端末を開発し、それが高性能な部品を生み出して海外への輸出拡大につながっているほか、高性能端末をユーザーが手にすることでコンテンツやサービスの利用が促進され、日本を世界一のアプリマーケットに育てたことも見逃せないだろう。

 それだけに、今回の総務省の方針でもっとも疑問を抱くのは、結局日本の携帯電話市場をどう育てていきたいのかがまったく見えず、近視的な対応に終始していることだ。公平性を追求すれば携帯電話料金の不公平感はなくなるかもしれないが、高速インフラの普及や日本の端末・部品産業などに大きな影響をもたらし、さまざまな面で国際競争力を失わせることにもなりかねない。

 実際、今回の総務省方針でもっとも恩恵を受けるのは、低価格端末に強みを持つ中国などのスマートフォンメーカーではないかと推測され、日本の産業にとってメリットにつながるのか疑問が残る。

 現在の業界の商習慣がデメリットをもたらす部分があることは事実だが、一方でその商習慣がもたらす特性が、日本ならではの独自性を生み出しているのもまた事実だ。それを「ガラパゴス」といって切り捨てるのは簡単だが、独自性を失えば自国の特色を失い、ひいては国際競争力を失うことにもつながりかねない。

 携帯電話料金と商習慣の問題を考える上でも、そうした日本の独自性をつくり上げつつ、競争力向上へとつなげるための取り組みが、真に求められているのではないだろうか。
(文=佐野正弘/ITライター)

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