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秋津壽男「正しい医療or間違った医療はこっち!」

マスクやうがい薬は無意味?間違いだらけの風邪予防…常に暖かい室内はかえって危険

文=秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長
マスクやうがい薬は無意味?間違いだらけの風邪予防…常に暖かい室内はかえって危険の画像1「Thinkstock」より

 風邪をひかずに冬を健康で元気に乗り切るには、暖房を使い始めるのを、なるべく遅くするのがいいです。多くの方が誤解していますが、寒いから風邪をひくわけではありません。テレビのCMで北欧の子供たちが雪の中、寒中水泳している衝撃的な映像が流れていますよね。ずっと暖かい室内にばかりいてたまに寒い外に出ると、体がビックリして免疫力が下がります。そこに風邪ウイルスが侵入して発症するのです。体が寒さに慣れてしまえば、寒いなりに健康は維持できます。

 つまり、寒いと感じたら暖房のスイッチを入れるのではなく、これからどんどん寒くなることを体に知らせて、体を冬モードに切り替えることが重要なのです。体内の神経や血管を冬モードに切り替えずに暖かい家の中にばかりいると、体は今が冬かどうかわからなくなります。これからの時季こそ、外に出て体を外気に触れさせましょう。

 冬は血行をよくするために、「血管を広げる、縮める」の血管のトレーニングをすることが大事です。それには、早起きして、散歩に出かけるのが一番。全身が寒さを感じて自律神経の働きがよくなり、血管がキュッと収縮し、体から熱が逃げないように機能します。

 マスクは風邪予防にはあまり効果はありません。唾液などの飛沫が口内に直接入るよりも、手についた菌が体内に入って風邪をひくケースのほうが圧倒的に多いからです。しかもウイルスはマスクの繊維の網目よりはるかに小さいのです。SARS騒ぎのときに広まった「99%マスク」はウイルス遮断効果はありますが、あまりに機密性が高すぎて、10分間つけ続けるのが限界です。何時間も平気でつけ続けられるマスクは、隙間から空気とウイルスが入ってきているということです。もちろん風邪の患者は人にウイルスをまき散らさないように、拡散防止としてのマスク着用がエチケットです。

風邪予防には手洗い・うがい・加湿が大切

 インフルエンザウイルスは湿度60%以上で死滅するので、この時季は窓が結露するくらいに室内を加湿するのが正解です。加湿器を使うときは、高い位置に置いて顔の周囲にミストが当たるようにします。就寝時も枕元に置くのが正解です。

 帰宅時の手洗い&うがいは必須。手洗いは必ず石けんを使い、流水でよくこすって菌を落としましょう。殺菌石けんで菌を殺すのではなく、流水で汚れと菌を洗い流すのが目的だと考えてください。

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津壽男/総合内科専門医、秋津医院院長

秋津医院院長、総合内科専門医。大阪大学工学部醗酵工学科を卒業後、和歌山県立医科大学医学部に入学。循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1988年に品川区戸越銀座に秋津医院を開業。現在、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中。著書に、「長生きするのはどっち?」「ガンにならないのはどっち?」古いワインの解説書の「古酒礼賛」などがある。

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