「長く付き合う」を目的にした、保険の営業マン

 4人目に話をしたのは、保険会社の男性・D氏だ。年齢は40代で、パリッとしたスーツを着こなし、とても愛想が良い。名刺を交換した段階で「保険に勧誘されるのでは?」と身構えてしまったが、それは勘違いだとすぐに判明した。D 氏いわく、「こんなところで保険を買ってくださいと言っても、誰も買わないですよねぇ(笑)」。

 会話を進めてわかったのだが、D氏はこういった交流会で、起業を目指す人たちに向けて創業支援を行っているのだという。起業家に向けて、それぞれの業種にマッチした社会保険労務士、税理士、弁護士などを紹介し、登記や定款、財務などをトータルでコーディネートしてあげるようだ。

 しかも、手数料はまったく受け取らないというから驚く。なぜ、そんな慈善事業のような真似をするのか聞いてみると、「私はいろいろと優秀な人材を紹介できるので、知り合った人と長く付き合い、その中で少しでも興味が湧いた時だけ、保険の話をさせていただきたい。それだけです」。

 D氏によると、こうした交流会でガツガツ勧誘しても意味がないという。やり手の営業マンがたどり着いた、ひとつの境地なのかもしれない。D氏は最後に「自分にとって役に立つ人を見極めることが、何よりも肝心です」と、異業種交流会における心得も教えてくれた。丁寧にあいさつをして、その場を離れる。

営業トークが止まらない5人目

 時計を見ると、時刻はもう20時半を回っていた。会場には8人ぐらいしか残っておらず、スタッフも荷物の預かり係がいるだけだ。運営は徹底して人件費を削り、参加者も「タイム・イズ・マネー」を徹底している人が多いようだ。自分も帰ろうかどうか迷っていると、目をキラキラさせた20代前半とおぼしき若者が、元気に声をかけてきた。

 彼は、経営コンサルタント会社の営業・E氏だ。彼の会社は、さまざまな広告代理店とつながりがあり、都内で毎日、異業種交流会を開催しているとのことだ。そこでは「人脈のシェア」をテーマに、「うちはこういったスキルを提供できるから、代わりにこういうスキルがほしい」と、積極的にビジネスライクな交流を図っているという。

 会場は秋葉原、五反田、神田、神楽坂、中目黒などが多く、1日で3カ所も開催することもあるという。はたして、ビジネスとして成り立っているのか。そのあたりをE氏に突っ込んでみると「できます!」と自信たっぷりの答えが返ってきた。

関連記事

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ