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ずっと赤字なのになぜか世界的に大注目のあの異端企業、ついに「大化け」の兆候

文=編集部
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 筑波大学発のベンチャー企業、CYBERDYNE(サイバーダイン)が開発したロボットスーツ「HAL医療用下肢タイプ」が昨年11月25日、厚生労働省から希少疾病用医療機器として製造・販売の承認を受けた。HALは体に着けて歩行能力を高める装置。筋ジストロフィーなど全身の筋力が低下した難病患者のためのロボット治療機器だ。装着型ロボットが医療機器に承認されるのは日本で初めてである。

 医療用HALは筋肉を動かそうとする際に生じる電気信号をももやひざに貼り付けたセンサーで読み取り、内蔵したコンピューターで関節部のモーターを動かして歩行を助ける。「歩けた」という感覚を脳に送り返すことで歩く機能を取り戻せるという。歩行を補助する福祉用具のHALよりも性能が高く、病院で歩行機能改善の治療に使える。

 山海嘉之社長は同日、厚生労働省で会見し、「子供用モデルの開発や脊髄損傷、脳卒中などほかの病気への拡大を検討する」ことを明らかにした。筋ジストロフィーや筋萎縮性側索硬化症(ALS)など難病に指定されている8疾患について、早ければ16年春に健康保険が適用される見通し。今後は脊髄疾患などへも保険適用の拡大を目指していくという。

 医療用HALは、すでに欧州を中心に海外で利用が進んでいる。13年には欧州連合(EU)で医療機器として承認され、ドイツでは公的労災保険の適用も受けている。米国でも医療機器の申請中で、16年春をメドに承認される予定だ。HALは医療用機器として正式に承認されたことにより、普及に弾みがつく。

ゼネコンも採用

 山海氏は筑波大学大学院システム情報工学研究科教授だ。1987年、同大学院工学研究科博士課程を修了、ロボット研究者の道を歩み始めた。「科学は人の役に立ってこそ意味がある。現場で使えるロボットをつくる」と決意。工学だけでなく、脳科学や神経学、さらに心理学などさまざまな知見を合わせて、ヒトの意思通りに動くロボットスーツを開発した。2004年6月、研究成果を活用することを目的にサイバーダインを設立した。

 四半世紀かけて装着型ロボットHALを開発。脚に装着して訓練に使う介護用や、脳卒中などにより体が不自由になった人が装着してリハビリテーションに使う医療用などがある。14年3月、東証マザーズに上場。株式公開で得た資金で、小型でどこでも使える新型HALや、介護する人の作業を楽にする支援用HALなどを開発した。

 医療・福祉以外の分野からも注文があった。ゼネコンの大林組は作業現場で重いモノを持ち上げたり運んだりする際の腰にかかる負担を軽減する「HAL作業支援用(腰タイプ)」の開発をサイバーダインに依頼し、14年10月から使用を始めた。

BusinessJournal編集部

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