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小林敬幸「ビジネスのホント」

小資金でも地味でも勝ち続ける「広島式」の秘密!カープ、パフューム、マツダ…

文=小林敬幸/『ビジネスをつくる仕事』著者

 また、今年のJリーグ新人王を獲得した浅野拓磨選手と契約した際も、他チームのスカウトを驚かせた。サンフレッチェの下部チームで大切に育てていた野津田岳人選手と同じフォワードのポジションだったからだ。野津田選手は、広島の至宝ともいわれ、年代別日本代表に選ばれ続けていた。しかし広島のスカウトは、「競争して切磋琢磨するのが野津田のためにもいい」と明言したという。

 マツダも、地元出身の技術者を鍛え上げて成果を上げている。Perfumeも、アクターズスクール広島という、タレント育成組織の出身だ。

 このように、広島スタイルの人材育成は、まず人材を選ぶスカウティングを経営トップ以下、チーム全員がとても重視して必死で取り組んでいる。そして、切磋琢磨する健全な競争を促している。一方で、辛抱強く使い続けて成長の機会を与えている。つまり、スカウティング(選別と勧誘)、競争、機会の提供という3つが、人材の育成と確保に大事だと学ぶことができる。

 地方創生などで、東京のやっていることの縮小相似形の猿マネ作戦ではなく、この広島のようなやり方を、どの地方も進めてほしいと思う。また、改革を進めようとする企業においても、とても参考になるだろう。
(文=小林敬幸/『ビジネスをつくる仕事』著者)

小林敬幸/『ふしぎな総合商社』著者

小林敬幸/『ふしぎな総合商社』著者

1962年生まれ。1986年東京大学法学部卒業後、2016年までの30年間、三井物産株式会社に勤務。「お台場の観覧車」、ライフネット生命保険の起業、リクルート社との資本業務提携などを担当。著書に『ビジネスをつくる仕事』(講談社現代新書)、『自分の頭で判断する技術』(角川書店)など。現在、日系大手メーカーに勤務しIoT領域における新規事業を担当。

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