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蔓延する「ウソ」 新薬が危ない!深刻な副作用、既存薬をただ合体

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士
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【メリット】

(1)2剤以上の薬がひとつになっているため、飲みやすい。飲み間違いや飲み忘れのリスクも減る。
――日本では、10剤処方が当たり前になっているので、このメリットは大きいといえます。

(2)処方薬の合剤は、薬価が割安に設定されているため経済的なメリットがある。
――例として、カデュエット配合剤4(ファイザー)のケースをみてみると、コレステロール低下剤のリピトール10mgと降圧剤のアムロジン5mgを合わせたもので、薬価は141.7円。リピトール10mg(107.9円)とアムロジン5mg(53.3円)を単剤で購入すると合計161.2円になるので、配合剤を使用することで12%の節約となります。

【デメリット】

(1)あらかじめ成分の割合が決まっているので、きめ細かい投薬ができない。
――たとえば、降圧剤とコレステロール低下剤を併用している人で、血圧が下がり気味なのにコレステロール値がやや高いという場合、単剤であれば微妙なさじ加減で対応することができますが、配合剤を使っているとそれができなくなってしまいます。

(2)副作用が出ても、どの成分が原因なのか特定しにくい。
――これはゾロ新だけでなく、むしろ総合感冒薬、総合胃腸薬のように多種類の成分がひとつになっている配合剤の場合に多く起こります。

イレッサ、グリベック――高価な薬のパテントクリフ到来

 ブロックバスター薬の特許切れは、先発薬メーカーにとっては最悪の瞬間です。薬品業界の関係者は、それを「パテントクリフ(特許の崖っぷち)」と呼び、少しでも先に伸びることを願っています。

 逆に、高価な薬を使わざるを得ない患者さんにとっては、大きな福音になります。ジェネリックに切り換えると、月に数千円から数万円の出費が減ることになるからです。

 今後、特許切れを迎えるブロックバスター薬は以下の通りですが、薬価が高いがんの治療薬も含まれています。

【16年】
・プラビックス(サノフィ):脳血管障害
・グリベック(ノバルティスファーマ):分子標的薬、慢性骨髄性白血病
・ジェイゾロフト(ファイザー):抗うつ剤

【17年】
・オルメテック(第一三共ヘルスケア):降圧剤

 ここに記した年は、あくまでも目安です。先発薬メーカーがあの手この手で期限の引き伸ばしにかかることもあるからです。特許権をたくさん設定しておいて、法廷闘争でジェネリックメーカーの動きを封じるのは常套手段です。ただ、それにも限界があるので、期限が大幅にずれることはないでしょう。

 ゾロ新の配合製剤は、患者の飲み忘れを防いだり費用負担を軽減するためだけにつくられているのではなく、このような製薬会社の思惑が背後にあることも頭の片隅に入れて薬とお付き合いください。
(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)

●宇多川久美子 薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)など著書多数。

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