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航空経営研究所「航空業界の“眺め”」

ANA、巨大航空機購入に業界騒然…デカすぎて空港も恐々?設備・スタッフ面の問題は?

文=森崎和則/航空経営研究所主席研究員
ANA、巨大航空機購入に業界騒然…デカすぎて空港も恐々?設備・スタッフ面の問題は?の画像1羽田空港国際線ターミナル前に駐機するエアバス製A380のデモ機

 新年を迎えた元日の朝、全日本空輸を傘下に持つANAホールディングス(HD)が欧州旅客機大手エアバスの超大型A380を導入するというニュースが飛び込んできた。昨年から「ANAHDがA380を3機導入するらしい」「スカイマーク破綻に伴うANAの支援策にエアバスを賛同させる条件だろう」などと信憑性の高そうな情報は流れていた。

 詳細については1月末に予定されているANAHDの次期中期経営計画の発表で明らかになるであろうが、今回の報道内容を読んで筆者に限らず誰もが注目したと思われるのが、そのA380の就航先である。以前より「いったいどの路線に就航させるつもりか」「長大路線が前提とすれば欧州路線か」「いや、就航先の発着枠が満杯状態で無理だろう」「ニューヨークが妥当な選択なのでは」などとさまざまな臆測が流れていたが、「ホノルル便」という想像外の路線が出てきたからだ。

 詳細が判明する前段階ではあるが、今回は一連の報道を受けて筆者が直感的に思い浮かべた疑問を検証してみたい。

首都圏空港(成田、羽田)のどちらを発着空港とするのか

 まずは需要の大きい首都圏空港発着になることに疑う余地はない。では成田、羽田のどちらを使用するのか。結論は全日空が現在でも1日2便を運航している成田だろう。しかし、ホノルル線であれば燃料を満タンにする必要がないので、離陸重量が軽いこと、さらに深夜時間帯(23時以降)の出発であればA380の運航が可能であること(昼間帯は国内線運航便数への影響を考慮して不可能)から、機能面では羽田を使用することは可能なのではないだろうか。また、観光需要が主体のホノルル便では、羽田乗り継ぎで地方発のツアー客を獲得することで400席を超える座席を埋めることが可能と判断するならば、羽田の現実性も否定できないだろう。

超大型機を受け入れる空港設備をどうするのか

 ほかの航空機と比較してひときわ大型のA380が乗り入れることのできる空港の設備は、どうするのだろうか。以前、ある航空会社のパイロットから「なぜホノルル路線に大型機であるボーイングの777-300が飛んでいないのか知っていますか?」という質問を受けたことがあった。かつて日本航空、全日空をはじめユナイテッド航空、ノースウエスト航空、大韓航空、中華航空などが747をこの路線に投入していた。しかし、現在この路線に使用されている機種は最大で777-200である。

 質問の答えは777-300の機体の長さが747より長いので、スポット(駐機場)の決められた範囲から機体後部がわずかにはみ出すからだった。以下表を見ればわかるとおり、A380の機体の長さは777-300とほぼ同じであり、さらに翼幅はとてつもなく長い。

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