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森秀明「『itte』の経営学」

勝ち続ける組織をつくる…間違いだらけの経営学と競争戦略

文=森秀明/itte design group Inc.社長兼CEO、経営コンサルタント
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 今日の経営では、顧客の要望から出発するのが正しいといえます。顧客の要望(ニーズやウォンツ)に刺さるようなソリューションを探り出し、それをつくり上げていくなかで自社の能力が醸成され、結果として競合他社が真似できないソリューションが生まれてくる、というのが今日の経営の姿です。

 第8回の「選択」と「集中」では、今日、他社と戦わずに儲けられる市場を見つけることが困難になりつつあると指摘しました。すなわち、無競争で儲かるような市場を見つけ出すこと自体が困難で、仮に少ない競争で儲かるような市場があったとしても、すぐに他社の攻勢にあって儲けにくい市場になってしまうということです。したがって今日の経営では、「選択」と「集中」というアプローチだけで十分な収益を獲得することが困難になっているのです。

 そこで、「選択」と「集中」と「再選択」という法則を提示しました。「自ら選択した領域に自社の経営資源を集中投入すれば、結果として、その戦略の良し悪しが判断でき、同時に業務オペレーションが改善され、それが進化する。次に注力する領域では、その進化した業務能力が生かされ、戦略が成功して収益を上げられる可能性が高まる」というものです。

 また第9回の「コスト削減」では、今日では規模を生かしたコストダウンだけでは競争優位の獲得は困難であり、経験を積み重ねたコストダウンが重要になってきていると主張しました。

 すなわち、規模を生かしたコストダウンに頼るだけではなく、経験に裏打ちされたコストダウンに取り組むこと。そのために業務改善活動のプロセス、コスト削減のプロセスを組織の中に埋め込むことの重要性を述べました。

 このような考えを、冒頭のチャートの右側にまとめてみました。そこでは、「ニーズ探求」「経験コスト削減」「選択と集中と再選択」という3つの概念を示しています。

「ニーズ探求」とは、顧客の要望(ニーズやウォンツ)を出発点として、あきらめることなく顧客の要望実現を図っていくということです。「経験コスト削減」は経験曲線(エクスペリエンス・カーブ)の理論にしたがい、組織が経験を積み重ねることによってコスト削減を持続的に成し遂げていくことです。「選択と集中と再選択」は一度選択した市場や製品にこだわるのではなく、試行錯誤しながら自社の戦略領域を見直していくことです。

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