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永井孝尚「企業の現場で使えるビジネス戦略講座」

出がらしまで提供…コーヒー市場、なぜ不味くなりすぎて規模半減? 不毛な価格競争の末路

文=永井孝尚/ウォンツアンドバリュー株式会社代表

「歯を食いしばってでも、がんばって値下げ競争を勝ち抜け」という根性論には限界がある。価格勝負をするのならば、利益や品質を削って価格を下げるのではなく、利益も品質も確保した上で、智恵を絞り技術を活用してコスト削減を図るべきなのだ。

 しかし、ここに落とし穴がある。最新技術を活用して低コスト構造を実現して価格勝負に持ち込んでも、それだけでは不十分なのだ。いずれライバルが追いついてくるからだ。

 ライフネット生命の創業から8年目となる現在、ライバルのネット生保が増えてきた。生保業界では、すでに「ネット専業だから低価格」だけでは差別化できない状態になっている。

 そこでライフネット生命も、当初からわかりやすいシンプルな商品構成、保険の簡易請求の実現、業界で唯一の保険料内訳公開などによって顧客満足度第1位を獲得するなど、低価格を売りにするだけでなく企業努力を重ねている。

 利益を削った「不毛な値下げ競争」は、最終的に顧客に対する品質低下を招くので避けるべきである。だから同じ値下げ合戦であれば、新しいコスト構造を実現し、利益を確保した「不毛でない値下げ競争」が望ましい。

 しかし本来は、価格だけに頼らずに常に高い価値を提供し続けることを追求すべきなのである。
(文=永井孝尚/ウォンツアンドバリュー株式会社代表)

永井孝尚/ウォンツアンドバリュー株式会社代表

永井孝尚/ウォンツアンドバリュー株式会社代表

 マーケティング戦略アドバイザー。1984年に慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。マーケティングマネージャーとして事業戦略策定と実施を担当、さらに人材育成責任者として人材育成戦略策定と実施を担当し、同社ソフトウェア事業の成長を支える。2013年に日本IBMを退社して独立。マーケティング思考を日本に根付かせることを目的に、ウォンツアンドバリュー株式会社を設立して代表取締役に就任。専門用語を使わずにわかりやすい言葉でマーケティングの本質を伝えることをモットーとし、幅広い企業や団体へ年間数十件の講演やワークショップ研修を実施。さらに書籍・雑誌の執筆、メディア出演などで、より多くの人たちにマーケティングの面白さを伝え続けている。主な著書に、シリーズ累計60万部を突破した『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズ(全3巻、コミック版全3巻、図解版、文庫版)、『そうだ、星を売ろう』、『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』、『残業3時間を朝30分で片づける仕事術』(以上KADOKAWA)、『「戦略力」が身につく方法』(PHPビジネス新書)がある。最新著は『これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング』(SB新書)

・問い合わせ先:永井孝尚オフィシャルサイト

Twitter:@takahisanagai

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