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金子智朗「会計士による会計的でないビジネス教室」

「抜け殻」シャープに、一体どんな存在意義があるのか?そこまでして潰さない意味は?

文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表

 雇用維持の必要性は理解できるが、それで残ったシャープが抜け殻のようでは、一体どんな存在意義があるのだろうか。

「働く」とは「傍(はた)を楽にすること」と言った人がいる。周りの人の仕事や生活を楽にし、楽しくさせることが「働く」の意味ということだ。すなわち、顧客になんらかの価値を提供できなければ働いていることにはならず、企業としての存在意義はないということだ。

 先のビジネススクールで教える友人は、本当は経営学者ピーター・ドラッカーの言葉を引用して、「企業の目的はただひとつ。顧客を創造することだ」と言いたかったらしい。それを「雇用の維持」と言って譲らない部長さんのおかげで、言えずじまいだったそうだ。

 シャープは、深刻な業績不振に陥ってからのここ数年、人員削減や給与カットに加えて、デット・エクイティ・スワップや大幅な資本減少などの財務テクニックも相次いで行っている。しかし、シャープが本当にやらなければならないことはそんな財務テクニックではなく、かつてのような「目の付けどころがシャープ」な製品を創り出し、顧客を創造することである。
(文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表)

金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表

金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表

1965年神奈川県生まれ。東京大学工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科修士課程卒業。卒業後、日本航空(株)において情報システムの企画・開発に従事。在職中の1996年に公認会計士第2次試験合格。同年プライスウォーターハウスコンサルタント(株)入社。2000年公認会計士登録し、独立。2003税理士登録。2006年ブライトワイズコンサルティング合同会社(www.brightwise.jp)設立、代表社員就任(現任)。
ブライトワイズコンサルティング

Twitter:@TomKaneko

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