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林總「かみくだいてご説明しますと……」

危機迫る東芝、いまだ必死に隠蔽する重大問題…利益はいくらでも小手先で操作できる

文=林總/公認会計士、経営コンサルタント、会計専門職大学院教員
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「西田さんはあからさまに『経理なんて言われたとおりに数字をつけておけばいいんだ』と発言し、そうした考えがほかの幹部の間でも広がっていった。西田さん以来、経理の立場が弱まった」(同)

 不正会計は09年6月から社長を引き継いだ佐々木則夫氏の時代になると、ますますエスカレートしていきます。

「その一因が、東日本大震災後の経営環境の激変でした。佐々木社長は社長月例の場で、決算までの3日間で120億円の利益を迫るなど、不可能な要求をするようになりました」(同)

 そして、この頃になると、本来チェックする財務部門が社長の意をくんで現場に圧力をかけるようになり、「(財務部は)社長の分身みたいな存在。社長の意に沿う数字をつくることに一生懸命になってしまった」(同)というのです。そして、東芝は11年の大震災を境として不遇の時代に突入します。その時の状況を、報告書は次のように書き記しています。

「とりわけ、不適切な会計処理が幅広く行われた2011年度から2012年度にかけては、東日本大震災及びそれを契機とする福島第一原子力発電所の事故の発生、タイの洪水による東芝の工場の水没、超円高の進行など、東芝の事業にとって極めて厳しい経営環境が続いていた。(略)P(編注:社長を指す)が示す『チャレンジ』のほとんどは、長期的な利益目標などの視点から設定されるものではなく、当期又は当四半期における利益を最大化するという観点(当期利益至上主義)から設定される目標達成値であった」
(文=林總/公認会計士、経営コンサルタント、会計専門職大学院教員)

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