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シャープ、実質解体へ…ずるずる支援の最悪の再建策か、巨額税金投入と借金棒引き

文=編集部
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 革新機構が保有する半導体大手ルネサスエレクトロニクス株式を、ソニーや日本電産に売却するという話が浮上している。半導体事業を収益源にしようとしているソニーはルネサス株を取得することによって、自動車向け半導体(マイコン)を強化できるという筋書きだ。ロイター通信は「2月に行われるルネサスの入札で、日本電産が買い手の有力候補に浮上している」と伝えた。

 革新機構はトヨタ自動車、パナソニックなど15年にすでに出資している企業にもルネサス株の売却を打診している。ルネサス側は外資系企業との大型提携を模索したが、革新機構は日の丸半導体としてルネサスを再生することにこだわった。路線の対立から、独社との提携を進めていた遠藤隆雄会長兼CEO(最高経営責任者)が、昨年12月に辞任した。ルネサスは世界中の自動車関連企業と取引がある。「外資はダメ」という方針では、海外のユーザーの支援が得られなくなる懸念がある。

 ルネサスの株式を取得するという報道を受け、ソニーの株価は大幅に続落した。1月16日に2351円まで売られた。株式取得には数千億円の資金が必要になる。事業を再構築中のソニーの経営体力では巨額のM&Aは無理だと市場は判断した。株価は15年10月に3568円まで上昇したが、今回の急落で昨年夏の水準を下回った。

銀行の大盤振る舞い

 みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行は、7000億円規模の巨額買収を提案した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の提案には見向きもせず、革新機構のプロポーザルを受け入れることを決めた。「シャープが成長すれば銀行にも利益がある」との中長期的な判断を下したという説明だ。

 三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行の2行は15年6月に2000億円の貸付金を債務の様式化で優先株に切り替えた。今回、2行は保有するこの優先株を無償譲渡する。その上で新たに1500億円の有利子負債を優先株に切り替える。合計3500億円を事実上棒引きにするわけだ。2行の株主がこの大盤振る舞いに異議を唱えれば、株主代表訴訟に発展する。

 白物家電については、成長性が乏しいとの見方も強い。メインバンク2行の行内で白物家電の新会社構想についてどのような議論がなされ、革新機構の提案を支持するに至ったのかを情報開示する必要がある。

「今回のシャープ支援が正しかったのかどうかは、最短で2~3年、最長でも5年後には出る。政府まで出て来て、ずるずる支援を続けるのは最悪だ」(市場筋)との厳しい指摘もある。
(文=編集部)

【続報】
 革新機構は東芝の白物家電に加えて、東芝の子会社、東芝テックのPOS(販売時点情報管理)システムもシャープに事業統合する検討に入った。東芝テックは巨額の赤字を出している。革新機構は、東芝の救済にさらに踏み込もうとしている。東芝グループの赤字企業・部門をシャープに押し付けようとしているのだ。電機業界の再編は、東芝の救済を意味する。

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