ビジネスジャーナル > 企業ニュース > バターは本当に不足してるのか?  > 3ページ目
NEW
鈴木貴博「経済を読む目玉」

バターは本当に不足してるのか…なぜ価格バカ高く?管理機構は巨額差益

文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役
【この記事のキーワード】, , ,

 ここでのポイントは、ALICがバターの輸入価格として商社に支払った金額と、バターを乳業会社に販売した卸売価格の間に158円の差益があるということです。新聞報道によれば、ALICはこの緊急輸入で40億円の差益を得ているそうです。

 これが経済学の教科書に書いてある(2)のウェッジという差益です。

 つまり供給量をコントロールしている機構に巨額の差益が発生しているということは、経済学の教科書通り「供給不足が発生していることが証明されている」のです。供給不足の下では、バターの小売価格は上がり、一部の消費者はバターをあきらめてバター風味のマーガリンに切り替えたり、一部のお菓子業者はバターを使わないお菓子を生産するようになります。

 そして、高いバターを買える人だけが供給不足でつり上がった価格のバターを買っているという状況が起きます。

 いかがでしょうか、みなさんの実感通りではないでしょうか。

 やっぱりバターは不足しているのです。
(文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に、企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年にわたり活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、03年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。主な著書に『日本経済復活の書』『日本経済予言の書』(PHP研究所)、『戦略思考トレーニング』シリーズ(日本経済新聞出版社)、『仕事消滅』(講談社)などがある。
百年コンサルティング 代表 鈴木貴博公式ページ

バターは本当に不足してるのか…なぜ価格バカ高く?管理機構は巨額差益のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!