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武田哲男「伸びる企業 衰退する企業」

異常なコストダウン競争で「底が抜け始めた」日本社会…手抜き・騙しが常態化

文=武田哲男/武田マネジメントシステムス代表取締役
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顧客不満足度調査の重要性

 ともあれ、現実には「短期成果主義」のために組織を挙げて「全社一律○○%のコストダウン」を実施する例は増えている。よって、本来コストダウンをしてはならない分野までも情け容赦なく一刀両断にコストダウンを実施する。結果として、次第に各所に問題が発生し始める。

 たとえば、教育費の削減などはただちに問題が発生することはないが、5年後・10年後には人が育っていないから企業衰退の原因となる。

 機械製品を例に挙げると、素材を減らす(薄くする・小さくするなど)、別の素材に変える(今まで時間をかけて精度を高めてきたのにバランスが崩れる)、部品点数を減らす(メンテナンスに却って手間がかかる)、顧客の目に触れない箇所の手を抜く(耐用年数が短くなる)など、挙げればきりがないほどである。
 
 近年、連続して浮上してきた数々の事件・事故・トラブルの背後にある原因のほとんどが、こうしたコストダウン・コストカットに集約される。加えて「嘘をつく」「誤魔化す」「隠す」「手を抜く」「騙す」「脅す」「法律違反をする」など、倫理観すらコストダウンに飲み込まれている。

 いずれも「顧客不満足度調査」によりすでに浮上している問題であり、筆者が警鐘を鳴らしてきた課題である。それゆえ、この調査を導入している企業が問題を引き起こした例を筆者は知らない。
(文=武田哲男/武田マネジメントシステムス代表取締役)