民泊仲介の百戦錬磨は上場を目指す

 京王電鉄が出資する百戦錬磨はICT(情報通信技術)ベンチャーだが、民泊仲介サービス会社として17年3月期中の上場を目指している。

 代表取締役社長の上山康博氏はソーシャルゲームKLabの出身。取締役事業本部長を経て、07年9月、楽天トラベルの執行役員(新規事業担当)に就任。12年に同社を退社。同年6月百戦錬磨を設立し、社長に就任した。

 百戦錬磨とは風変わりな社名だが、同社のホームページによると「百戦錬磨の人間が集まった会社という意味ではなく、自らの仮説を実証するために百戦しようという会社」と説明している。ICTを活用して、旅行需要・交流人口の拡大を目指している。

 同社は旅館業法の規制対象外の農家での宿泊を仲介する事業で実績がある。民泊事業を展開するグループ会社の「とまれる」は昨年12月、国家戦略特区で認定される民泊向けの仲介サイト「STAY JAPAN」を開設した。当面、100物件以上の登録を目標にしている。

 とまれるは、大田区の住宅の物件登録の受付けをはじめ、民泊に必要な申請業務などを請け負う。複数のチェックカウンターをつくり、鍵の受け渡しや対面での本人確認を代行する。

 民泊サービスのルールづくりについて議論する厚生労働省主催の「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」は、上山氏からヒアリングした。上山氏は国家戦略特区における民泊や農家民泊に限定した範囲で少しずつ事業を拡大していることを強調。法律は順守しているとした。しかし、現在の市場では脱法業者による「ヤミ民泊」が横行していると指摘。今後は仲介業者への規制を強化してヤミ民泊を撲滅することと、実効性のある規制制度作りを行うことを提案したという。

 民泊のルールづくりの焦点は、(1)需要が本当にあるのかどうか、(2)安心安全をどう担保するのか、(3)近隣とのもめごとが起きた時にどう解決するか――の3点だ。民泊条例を可決した大田区では、民泊施設によって外国人労働者が住むドヤ街になるのではないかといった懸念が出ている。

 百戦錬磨は果たして上場できるのだろうか。旅館業法が規制緩和され、民泊が特区から他地域に広がるかどうかにかかっている。

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