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高橋篤史「経済禁忌録」

不正とデタラメ投資オンパレードのあのファンド疑惑!破産の系列証券に強制調査、資金消失

文=高橋篤史/ジャーナリスト
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 前年12月29日付の「覚書」によると、オプティファクターはブルーシールズから報酬2000万円を別途受け取るとされたのである。会計上の取り扱いは後日に両者協議の上で決めるとされた。実質的には利息にあたるが、これを年率に直せば金利は450%超。密約は出資法違反などに問われることを避けるための偽装工作だった可能性が高い。

 もっとも、この破格ともいえる高利貸しビジネスは結局、損失に終わっている。報酬どころか元本も一切償還されなかったからだ。じつは投資関連業を営むブルーシールズは、融資金2億円をそっくりそのまま都内の顧客に送金していた。直後、顧客との間でトラブルとなり、2億円を取り戻せなくなってしまった。そのとばっちりでオプティファクターの融資が焦げ付いたという構図である。

怪しい人脈

 そもそもトラブルは、ブルーシールズが手掛ける投資ビジネスに漂っていた得もいわれぬ胡散臭さに起因するものだ。

 ブルーシールズはアルバトロスなる投資会社の社債で運用するファンドを顧客に紹介していた。アルバトロスは山一証券OBがマレーシアで設立したとされる会社で、「シンガポール・スイスモデル」と称し、両国の銀行口座を通じ世界中のさまざまな投資機会をとらえると謳っていた。が、その実態はじつに怪しく、肝心の山一証券OBはその頃、運用停止に追い込まれたラブホテルファンドの関係者として顔を出すなど、とかく評判の芳しくない人物で、挙げ句、14年9月には破産している。

 ブルーシールズを経営する船井総合研究所OBにしても、被害者が発信源とみられる告発文書が出回るなど札付きの人物だった。それ以前、同人物は「ワールド・オルタナティブ」というファンドに関係していたとされるが、募集から1年余り後、件のファンドは投資家に対し「解散通知書」を一方的に送りつけ、実質的に蒸発した。その後の14年10月、販売会社だったリアルキャピタルマネジメント(神奈川県小田原市)は別のファンドに絡む不正行為で登録取り消し処分を受けている。

 オプティファクターを創業した児泉氏の周辺人脈にも気になる点は多い。00年7月から02年9月まで、児泉氏はユニバンクスという都内の貸金業者でも代表取締役を務めていた。それまでユニバンクスで代表取締役だった人物はその後、東証2部企業ジェイ・ブリッジ(現・アジア開発キャピタル)の会長に転じた。倉庫会社から投資会社に変貌して株価が急騰するなど、ひと頃注目を集めた会社だ。もっとも、次から次に繰り出した投資は一向に実を結ばず、会長に転じた人物は投資先企業にまつわるインサイダー取引事件で09年に逮捕・起訴されている。

高橋篤史/ジャーナリスト

高橋篤史/ジャーナリスト

1968年生まれ。日刊工業新聞社、東洋経済新報社を経て2009年からフリーランスのジャーナリスト。著書に、新潮ドキュメント賞候補となった『凋落 木村剛と大島健伸』(東洋経済新報社)や『創価学会秘史』(講談社)などがある。

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