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キヤノン老害・御手洗会長、同郷人優遇し20年権力保持の異常経営…成長鈍化の要因か

文=編集部
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LIXILグループ、「プロ経営者」を解任

 LIXILグループは「プロ経営者」として注目された社長兼CEOの藤森義明氏が16年6月に退任する。後任に工具通販大手、MonotaRO(モノタロウ)会長の瀬戸欣哉氏を充てる。

 取締役会議長で指名委員会委員である潮田洋一郎氏が社長交代を決めた。潮田氏はLIXILの前身のひとつであるトステムの創業家出身。潮田氏が米ゼネラル・エレクトリック(GE)出身の藤森氏を三顧の礼をもって社長に迎えた経緯がある。

 藤森氏は潮田氏が目標に掲げた売上高3兆円を達成するため、グローバル展開を進めた。しかし子会社にした独グローエ傘下の中国企業ジョウユウの不正会計が発覚し、600億円を超す特別損失を計上した。海外M&A(合併・買収)に通暁しているはずの「プロ経営者」の大失態だった。

 潮田氏が藤森氏の後任に選んだ瀬戸氏は、藤森氏と共通点が多い。2人とも米国仕込みの経営手法を取る。

 瀬戸氏は東京大学経済学部卒で住友商事の出身。米ダートマス大学でMBA(経営学修士)を取得した。インターネットビジネスの勃興期に、工具のネット通販というニュービジネスを立ち上げた。2000年10月、住友商事と米資材会社グレンジャーの合弁会社、住商グレンジャー(現モノタロウ)の設立に参画。社内ベンチャー企業の社長を務めた。06年、東証マザーズに上場(09年、東証1部に指定替え)。09年住商が全株を売却し、グレンジャー・インターナショナルが47.84%の株式を持つ親会社になった。グレンジャー・ジャパンも4.8%を保有しており、過半数を握る。瀬戸氏は12年から会長を務めている。

 潮田氏が瀬戸氏に白羽の矢を立てたのは、モノタロウが11年に立ち上げた建材販売会社にLIXILが出資した際、「(瀬戸氏から)強いインプレッション(印象)を受けた」からだという。

 瀬戸氏は社長交代の会見で藤森氏のM&A路線を否定した。「(藤森氏とは)違うやり方でやる」と言い切り、藤森氏が掲げた売上高3兆円の目標にも「固執しない」と断言した。新事業を立ち上げ、国内回帰を図るとしている。

「ガバナンス(企業統治)というのは、トップを辞めさせる(ことができる)かどうかだ」

 これは潮田氏の言である。トップの選任・解任を決めるのが自分の仕事だと言っているのだ。潮田氏は藤森氏を社長に招いた。だが、業績は低迷し、お眼鏡に適わなかった。そこで、今度は瀬戸氏に乗り換えたのだ。LIXILの今後の成長は、“キングメーカー”潮田氏の経営者の力量を見極める“眼力”にかかっている。

BusinessJournal編集部

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