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町田徹「見たくない日本的現実」

シャープ、デッドライン大詰め…社員を待つ過酷なリストラ、台湾企業か革新機構か

文=町田徹/経済ジャーナリスト
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 とはいえ、ホンハイ案もバラ色には程遠い。シャープをバラバラに解体しないとしながら、太陽電池部門を売却する方針が後になって明かされたし、雇用維持と言いつつ40歳代以上の中高年は対象外といった話も飛び出した。目先は別としても、1~2年もすればシャープ内部には「こんなはずではなかった」という声が次第に増えるだろう。

明らかにされない「本当の狙い」

 ホンハイのシャープ買収の本当の狙いが明らかになっていない点も問題だ。アップルのiPhone製造で知られるように、ホンハイのビジネスモデルは自社ブランドの消費者向け製品を持たず、製造だけを請け負うという、日本ではあまり馴染みのないものだ。

 ホンハイが今後もそのビジネスモデルを守り、シャープ買収で製造能力の一段の拡充や、製造できる製品の多様化を狙っているだけならば、シャープのブランドや独自技術の開発力は無用の長物になるだろう。早晩、切り売りの対象になっても不思議はない。

 逆に、ホンハイ自身がシャープブランドを使って、消費者向けの市場に参入するつもりならば、ブランドを管理する機能はホンハイに移り、シャープはシャープブランドに関する当事者能力を失うことになる。

 結局のところ、ホンハイの買収を受け入れても、国有化に頼っても、待っているのは、シャープ自身がこれまで独力で成し遂げられなかった厳しいリストラ戦略だ。

 最終的にどちらの案を選ぼうと、これまで以上に大胆なリストラを避けては通れない。1、2年もたてば、「シャープ」の名前が残っていたとしても、今とは似ても似つかない会社に変わっているはずである。

 この連載は今回で終了です。ご愛読ありがとうございました。
(文=町田徹/経済ジャーナリスト)

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